清泉亮という名前を昨日知った。何で知ったのかと言うと、山口連続殺人放火事件の死刑囚保見光成についての記事の筆者としてである。

山口「八つ墓村事件」、保見光成死刑囚が弁護士にも語らなかった“田舎暮らしの地獄”https://www.dailyshincho.jp/article/2019/07251100/?all=1

そもそも私は別の未解決事件の話を見ていたところ、この事件におけるゴールデンレトリバー「オリーブ」の話(保見逮捕の1分後に死去)をたまたま見かけ、この事件を知って興味を持ったという流れになる。この事件についてはほとんど記憶になかった。

先程の記事はなかなか読ませる文章で、田舎でのひどい仕打ちに保見死刑囚への同情の念がかきたてられたのだけど、内容としては同事件のルポ「つけびの村」(高橋ユキ)と齟齬があるように見える(つけびの村は紹介記事を見ただけで、書籍の内容は読んでいない)。どちらがより事実に近いのかは私はわからない。しかしこの清泉亮というライターは田舎関連の著述業がメインであり、過去の記事等を見るに田舎叩きの内容が多いので、その辺は誇張されているところがあるかもしれない。とはいえ実際田舎の面倒なところは否定できないので、田舎叩きが多いから偏向しているとも言いづらい。

なんにせよ少し興味が湧いたのでこの清泉亮氏について調べてみると、もともとはノンフィクション作家だったらしく、新聞での書評や田舎とは関係のないネタも多い。興味深いものでは、週刊新潮において2017年11月頃に「卜兆鳳こと川井龍夫」の情報を募集していたらしい(https://twitter.com/urbansea/status/933377348128215040?s=21)。検索したところ卜兆鳳というのは「裸女と白狼と大地と」(沢徳次郎)「天皇を救った男 笠井重治」(七尾 和晃)にも記載がある。しかし田舎ネタはなかなか人気があったようで、近年はほぼ一辺倒と言っていいだろう。テレビやラジオにも複数回出演したことがあるらしく、出演時の画像も出てくる(羽鳥慎一モーニングショーにも出演していた)。

書籍も複数あり、特に「誰も教えてくれない 田舎暮らしの教科書」(東洋経済新報社)は人気があったようだ。一方でTwitter検索したところでは、田舎叩きライターとして苦言を呈すツイートも少数見かけた。田舎叩きはネットではわりとウケやすいネタだが、反感を抱く人も当然いる。

詳しいプロフィールは謎の部分がある。そもそも筆名の清泉亮は明らかに清泉寮(山梨県北杜市)のもじりである。実際山梨県北杜市には住んでいたらしい。生年については1962年という記述と1974年という記述があるが、後者の方が多い。田舎暮らしの教科書冒頭ではおよそ20年前に22歳だったと書かれているので、1998年頃で22歳となると1974年生まれの方が正しいはずだ。またその記述においては、20歳頃まではアメリカにいたそうだ。ちなみに書籍はKindleの無料見本分だけしか読んでいない。

さて、調べるにあたりGoogle検索してみたところ、いきなりサジェストに「清泉亮 死去」と出てきた。そして死去のソースらしきものが以下のツイートである。

https://twitter.com/9lwy09pKCWtw2gZ/status/1351312196702150658?s=19

(引用)

清泉亮
@9lwy09pKCWtw2gZ
清泉亮 死去の御報告と御礼
2021年1月15日、清泉亮は長野県内の国道を走行中に、対向車線からはみだして逆走してきた軽トラックと衝突し、1月16日早朝、死去致しました。
生前お世話になりましたかた、また読者の皆様に御報告申し上げますとともに、御礼を申し上げます。
午前8:35 · 2021年1月19日·Twitter Web App

(引用終わり)

これについてはどうなんだろう。まずこのアカウントが既に怪しい。21年1月作成のアカウントなので、おそらくこのツイートのためだけに作られたアカウントだろう。当然ツイートへの反応も全くない。RTは1人だけだし、いいねに至ってはこのアカウント自身によるセルフいいねだけである。そうなるとRTも自演か?と思わされる。実際RTしている人は清泉亮へ妙に関心が強い人らしく、Twitterで清泉亮と検索するとこの人のツイートがたくさん出てくるが、この人自身は清泉亮の死去に疑問を持っているらしい。

https://twitter.com/kk_hirono/status/1370957948143345670?s=19

(引用)

刑事告発・非常上告_金沢地方検察庁御中
@kk_hirono
長野県警察のホームページでは,令和3年3月11日(70日目)で,累計の死者数が3人とあります。先程は長野市を長野県と勘違いしていました。まだ事故の発生自体が確認できない清泉亮氏の死亡事故になります。
午後1:40 · 2021年3月14日·告訴状-2013-金沢地方検察庁御中_API

(引用終わり)

事故の発生自体が確認できないという。実際、死亡事故ともなればニュース等は出る可能性が高い。わざわざ調べているということは、少なくともこの人は当該の訃報アカウントとは関係がないだろう(そもそも普段のツイート内容も清泉亮とはかけ離れた文章だ)。

とはいえ、一応ライターで複数書籍も出しているのに、訃報に関係者らしき反応すらなく、この人のみというのはおかしな話である。逆に言えば、この人は清泉亮に強い関心を持ち日常的に調べているだけの第三者であるから反応したのであって、直接清泉亮と関わりのある人間には訃報自体が届いていないのだろう。つまりその点からもこの訃報には疑問符がつく。

さて一方で、清泉亮のWikipedia記事も作成されている。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%85%E6%B3%89%E4%BA%AE

こちらは奇妙な内容で、概ね正しいのだがソースを明示しない要出典が多く、「徹底的なマスコミ嫌い、メディア嫌い(中略)誰からも連絡が取れない隠棲を貫いた」の記述は明らかに事実に反しているように見える。羽鳥慎一モーニングショーほかテレビラジオに出演するような人間が、徹底的なマスコミ嫌いメディア嫌いで誰からも連絡が取れない、はないだろう。

おまけに編集履歴を見るとさらに奇妙なことがある。まずこの記事は1月23日に作成されている。おおむね訃報ツイートの直後と言って差し支えないだろう。つまり訃報ツイートを受けて作られた記事だと見るのが自然だ。訃報ツイートに表立って反応したのは先述のRTをした人物のみだが、この人が記事を作成したとは考えにくい。加えて初版を見ると、マスコミ嫌いの記述はこの時点からあるし、なんと清泉亮という筆名は初代の死去を受けて有志編集者らによる共同執筆の二代目に引き継がれたという記述もある。当然ソースの呈示はない。この他にも著作ごとに異なるペンネームを用いていたなど、ネット上では他に見かけない内容だ。この初版作成者は何者なのだろうか?後にそれらの内容は別のWikipedia編集者「Unamu」によって独自研究として記事作成後わずか1時間で削除され、さらに2021年4月24日、編集者「Lovely chacha」により「所属事務所の発表がないためツイートは悪質な悪戯と思われる」として死去関連の記述も削除されている。

私も訃報は悪質な悪戯であるという点には先述のとおり同感で、おそらく清泉亮を名乗る訃報アカウント作成者とWikipedia初版作成者は同一人物ではないかと推測する。死亡事故の事実が見つけられず、所属事務所の発表もなく、訃報への反応も皆無、Wikipediaの奇妙な内容を総合すると、清泉亮に対する何らかの悪意がうかがえる。まあ、田舎叩きの内容を多く書いていたため、そうしたところの恨みを買うこともあるかもしれない。

さて一方で突然出てきた「所属事務所」についてだが、実は清泉亮はタレントとして事務所に所属しており、執筆や出演依頼の窓口はそこだけらしい。その事務所は株式会社アセティア。公式サイト(https://www.asetia.jp/)には広告代理店と書いており、昨年12月28日のタレント募集サイトの記述(https://deview.co.jp/Audition/Overview?am_audition_id=28495&set_cookie=2)を見ると、昨年末の時点でタレント4人とスタッフ3人で、タレントにすみれおじさん、清泉亮、白河有希、石川麻衣が挙げられている。公式サイトにも清泉亮のテレビ等への出演情報が掲載されている。また、すみれおじさんへの誹謗中傷等に強く反応していることから、タレントの訃報ともなればかなり強く反応するはずだ。しかしそんな記述はない。

清泉亮とは業務提携開始のリリースが2018年7月22日にされている。ちなみに公式サイトではアセティアの設立日は2018年3月15日、22日に登記完了と書いている。タレントとの業務提携事業については2018年7月25日に公式サイトに記載されており、清泉亮と提携を開始した3日後である。ここでは業務提携について「芸能事務所には所属したくないが、オーディション情報や仕事の募集情報を知りたいという方向け」と書いてあるため、上述の「所属事務所」という書き方は厳密には誤りかもしれない。3日後ということで、清泉亮の活動のためにアセティアのマネジメント事業を立ち上げたのでは?と邪推したくなるところだが、看板タレントであるすみれおじさんとは、公式サイトでは2019年3月26日にマネジメント契約の発表がされており、石川麻衣は2018年6月27日に業務提携、白河有希とら2018年6月15日に業務提携の発表をしているので、清泉亮は業務提携組の3人では最も遅い。清泉亮が気になるからといって清泉亮中心に物事を考えすぎて邪推するのはナンセンスと言える。

ちなみにこのアセティア、アニメイベントやコスプレイヤー、グラビアアイドル関連が主な事業分野のようだ。そのため、「清泉亮」「田舎ネタ」が不自然に浮いており、少し興味深いところではある。とはいえ、上述の業務提携発表順を見るにもともとそういうオタク関係事業が先にあったようなので、単に清泉亮と業務提携したからというだけだろう(それにしてもどういう流れでオタク系広告代理店と清泉亮がつながったのかは気になるところだ)。

そしてアセティア公式サイトを見ると、21年3月……つまり清泉亮の訃報ツイート後……に、新しい田舎本のリリース告知がある。「地獄の田舎暮らし」(ポプラ社)。著者は柴田剛(しばた つよし)という作家で、同漢字名の映画監督(しばた ごう)とは恐らく無関係だろう。アセティア公式で発表していることや執筆依頼等の窓口がアセティアとされていることから見て、上述の4人以外に新たに所属したタレントと考えられる。しかし上述のとおりアセティアの事業における清泉亮と田舎ネタの浮きっぷりを考慮した上で、極めて短絡的に考えれば、この柴田剛とは清泉亮の変名ではないか?という疑問に当然たどりつく。あるいは、Wikipedia初版の極めて怪しい記述を採用すれば、「有志による二代目」が柴田剛になったのかもしれないし、「著作ごとに異なるペンネーム」の一つかもしれない。

当然、全く関係がないことも考えられなくはない。そもそもWikipediaの記述を置いても、売れ線の田舎ネタ作家が死去したために後継を据えるのは十分考えられる。

さてこの柴田剛についてだが、検索すると現代ビジネスやプレジデントオンラインに執筆記事を確認できる。プロフィールは「地方移住や老後の住み替えなどについて取材するライター。」とあり、上述の2サイトで最も古い記事は現代ビジネスで2020年12月10日となっている。つまり、清泉亮の死去(及び訃報ツイート)を受けて据えられた後継ではないということだ。昨年末のタレント募集サイトに記載がないことについては、ページの記載内容が古いということは普通に考えられるので、特に問題ではないだろう。

一方で清泉亮については、最も新しい記事と思われるのはこれも現代ビジネスで2020年7月14日の記事だが、その後2020年9月28日、AbemaTVのアベプラに出演しており、おそらくこれが最新の露出だろう。https://abema.tv/video/episode/89-66_s99_p2250

つまり、清泉亮と柴田剛の活動は時期的に重なっておらず、さらに柴田剛は清泉亮の安否と無関係に登場した。あと先程書き損ねたが、柴田剛とアセティアの業務提携やマネジメント契約の発表はされていない。これは邪推すれば、もともと提携していた……つまり清泉亮の変名だからではないか?とも考えられる。ただ、いちいち全部発表するものなのかは私にはわからないので、無関係である可能性も十分にある。

まとめに入ると、私としては、清泉亮は死んでいないと思いたいところだ(死亡事故などない方がいい)。この場合、訃報は悪質な悪戯ということになる。そうした嫌がらせがあるということは、Wikipediaもその一環で書かれた可能性は高い。加えて邪推を重ねれば、柴田剛は清泉亮の変名ではないかと思われる。その場合、なぜ変名したのか?(記事や著作の方向性は変わっていないように思えるのに)が気になるところだ。まあいずれにしろ、「良かった……死んだ人なんていなかったんだね……」でめでたしめでたしとしたいところだ。

死んでいた場合はどうなるか?こちらは死んでいない場合よりやや謎が多くなる。まず、訃報アカウントは誰なのかが気になるところだ。代理で報告し御礼までしているところからして、関係の深い人物だろう。ただその場合アセティアから発表するべきものではなかろうかという疑問は残る。そしてWikipediaはこの訃報を受けて書かれた可能性が高く、内容の奇妙さについては謎である。訃報アカウントの作者が自分しか知らない情報を書いたのかもしれないし、無縁の悪質な悪戯かもしれない。そして柴田剛についても謎である。売れ筋の田舎ネタ二代目を用意したと考えるには、訃報と無縁である点が気になるし、柴田剛登場から約3ヶ月、清泉亮ラストから約半年で書籍が出るのは早すぎる気がする。私は業界を知らないので、実際のところこんなもんかもしれない。しかし少なくとも清泉亮の生前に登場しているし、安易に同事務所で田舎ネタ二人目を作るのは、清泉亮の営業妨害ではないか?

死んでいたケースその2として、交通事故という死因が本来の死因を隠すための嘘である可能性がある。もはやここまでくると完全な妄想である。仮にそうだとして、不慮の死であればあえてこの線を考える意味はないので、予期された死であったと仮定する。この場合柴田剛について別の推測ができる。つまり、清泉亮の死に備えて二代目を用意したということだ。この場合は生前に用意しておくのは当然だし、生前の清泉亮が柴田剛に積極的に関わった可能性も高い。しかし根本的な問題として、田舎叩きネタにそこまでする意味があるか?という疑問が残る。そんなに大ブームで金脈なわけでもあるまいし、アセティアとしては田舎ネタはむしろ傍流ではなかろうか。これが著名な小説家とか権力者なら醜聞ではありつつもなかなかドラマチックな話だが……。

なので繰り返しになるが、謎が少ないという点でも、私は死んでいない説を推したい。

……とまあ、さほど有名でもないライターについてやけに熱心に調べてしまった。未解決事件が好きなことからもわかるように、探偵ごっこが好きなのだ。検索すれば1ページ目に出てくるような内容ばかりとはいえ(というかそもそも情報がない)、調べれば調べるほど奇妙な内容や最もらしい邪推に辿りつくのはなかなか楽しいものだった。

とはいえまだ書き加えておきたいことがある。冒頭の方で軽く書いた、清泉亮が情報を募った卜兆鳳の件についてだ。卜兆鳳について記述のある書籍として、「天皇を救った男 笠井重治」(七尾 和晃)があると書いた。この著者七尾和晃氏についてもまた、Wikipediaの記事がある。https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%83%E5%B0%BE%E5%92%8C%E6%99%83

大まかに抜粋すると、こんな内容だ。「覆面作家」「初代」「1974年生まれ」「ニューヨーク市クィーンズ区生まれ」「二代目」「有志による共同執筆方式」……。覚えのある内容ではないだろうか。これは清泉亮のWikipedia初版ページの記述に酷似している。七尾和晃初代は2015年12月27日没と書かれている。七尾和晃は石川県金沢市出身、清泉亮は東京都文京区出身とWikipediaに書かれているが、清泉亮は先述したとおり20代になるまでアメリカにいたという(田舎暮らしの教科書)。

七尾和晃については2014年に初代が引退し二代目が有志による共同執筆体制となったのは事実らしい。なにしろ徳間書店公式サイトに書いてある。ここまで堂々と書かれていることを考えると、雑誌の紙面なんかでは細かくその辺の経緯が書かれていたのかもしれないが、ネット上では見つからなかった。

https://www.tokuma.jp/smp/author/a213258.html

このWikipedia記事の初版は2016年3月10日だ。初版からほとんど記述は変わっていないが、初版では外部リンクに下記のリンクがある。

(引用)

(引用終わり)

リンク切れで内容は確認できないが、Internet Archiveで閲覧することができる。平成17年(2005年)3月3日付となっており、内容は引用しないが、まあ事実にしろ嘘にしろなんともしょうもない内容である。2005年には既に七尾和晃に恨みだか妬みだかを持つ人間がいたということか。余談だがこの「論談」というサイトはどうも総会屋「論談同友会」?の運営するサイトだったらしく、正木龍樹氏や政田幸一氏の名前がある。総会屋?こわ……となるが、今回の話には特に関係ない。まあ、匿名掲示板のようなものだったようだ。

この外部リンクは2016年3月12日に別のWikipedia編集者によって「外部リンクのソースが不確定な誹謗中傷だったので」削除される。実際誹謗中傷とされて当然の内容なのでこれ自体は問題がないが、削除を行った編集者のユーザー名は「Lovely chacha」。見覚えがある。そう、このユーザーは清泉亮のWikipediaにおいて、「悪質な悪戯ではないか?」と死亡関連の記述を削除した編集者なのだ。

まあ、同じ編集者がいじることはよくあるかもしれないが、Lovely chacha氏は現時点で編集回数が68回ということで、なかなか珍しい確率だ。この人は続いて2016年4月17日に、七尾和晃(初代)の没年についても「ソースが存在しなかったため、ソース部分のみ削除」している。このソースについて初版ページを見ると、下記のとおり記載されている。

(引用)

^ 清泉亮@SeisenTohru(2016年1月9日) 2016年2月2日閲覧。

(引用終わり)

なんと、清泉亮がここで出てきた。アカウントは現在存在せず当該ツイートも見られない(Internet Archiveにもない)ものの、没年のソースとされていることから、七尾和晃の訃報を知らせるツイートであった可能性がある。このアカウントは清泉亮本人のものだったのだろうか?現在Twitterで検索すると、過去SeisenTohruに反応したツイートはbotのツイートのみしか見つからなかった。

さて、どういうことになるのだろうか。先述した卜兆鳳について記述のある「天皇を救った男 笠井重治」は2018年12月出版である。清泉亮が卜兆鳳について情報を募ったのは2017年11月頃。「天皇を救った男」を書いたのは明らかに二代目七尾和晃だが、清泉亮と七尾和晃の間に何らかの関係があることは当然推測できるところだ。「天皇を救った男」の著者は清泉亮ではないか?とも思えるが、二代目七尾和晃は有志による共同執筆方式とのことなので、あまり関わっていないかもしれない。

「天皇を救った男」について、Amazonで冒頭試し読みをしたところ、七尾和晃の自分語りがあった。これによると、2003年には週刊新潮編集部に席を置く28歳だったという。1974年生まれで計算は合う。週刊新潮にいたというのも合っている(もっとも、先述した「誹謗中傷」では週刊新潮に席はなかったとしているが、今回はあまり重要な部分ではない)。そもそも七尾和晃と清泉亮のプロフィールの一部一致はどういうことなのだろうか?架空の人格だとしても、設定を引き継ぐ必要はないように思える。初代七尾和晃の引退は2014年、清泉亮は遅くとも2014年11月27日発行の週刊新潮において田舎ネタの記事を書いている。https://ci.nii.ac.jp/naid/40020264429/amp/ja

清泉亮は2014年に山梨県北杜市へ移住したという。七尾和晃と清泉亮にとって、2014年は節目の年に思える。短絡的に考えれば、2014年に引退した初代七尾和晃が山梨県へ移住し清泉亮となったと推測することもできる。設定が共通しているのはベースが同じだからと考えるとすっきりする。

初代七尾和晃=清泉亮と考えると、訃報ツイートの意味合いが変わってこないだろうか。先述したとおり、初代七尾和晃の訃報(と思われる)ツイートは清泉亮名義のアカウントから発信されたと推測できるが、この訃報は筆名を変えたことを意味しているのではないか。そうすると、今回の清泉亮訃報ツイートも、筆名を(柴田剛に)変えたことを意味しているのでは?と考えることもできる。

とはいえ、じゃあそんなことをする理由は何かというと全く思いつかない。前のライター人格は死にましたよ、ということかと思うが、わざわざ訃報としてツイートするのはなぜだ?だいいち誰がそれをしているのか。清泉亮本人か、第三者か。正直なところここまで来ると、片手間にスマホでこの文章を書いている私の中では整理がつかない。腰を据えて考えないと。とはいえそこまでするのも面倒だ。

書き損ねていたが、清泉亮のWikipedia初版作成者は七尾和晃のWikipediaを参照して書いたと思われる。清泉亮において、二代目の情報は(少なくともネット上では)出ていないはずだ。また、清泉亮Wikipedia作成者は清泉亮を覆面作家と書いているが、清泉亮は普通に顔を晒している。つまりさほど考え無しにとりあえず七尾和晃のWikipediaから記述を引っ張ってきたと思われるが、それはつまり、清泉亮と七尾和晃を当然のように結びつけて考えたからだと思われる。

私が清泉亮=初代七尾和晃と考えたのはこの清泉亮Wikipedia作成者のいわば誘導によるところが大きく、裏を返せばそれ以外に直接的に結びつける情報はあまりない。1974年生まれのノンフィクション作家で米国暮らしの経験がある。あとは週刊新潮(七尾和晃は週刊新潮編集部出身、清泉亮は2014年週刊新潮で初出)と、それぞれ訃報ツイートがあったことが似ているくらいか。訃報ツイートは清泉亮を名乗る第三者の捏造の可能性も十分にある。七尾和晃の訃報ツイートをした清泉亮のTwitterアカウントが残っていればもう少し判断材料もあったのだけど。私ならこの程度の材料で清泉亮=初代七尾和晃といきなり結びつけて考えることはできない(言われて初めて確かにと思う程度)。清泉亮Wikipedia作成者はよほど自信があったというかはじめからそう考えていたのだと思うが、この作成者は本当に何者なのだろうか。

さらに補足として、Lovely chacha氏についてだ。この人のWikipedia編集履歴を見ると、2015年10月からグラビアアイドル、アニソン、アニメフェス、コスプレイヤーなどの記事を中心に扱っていて、もろにアセティアの事業分野と被っている。すみれおじさん、Anime friends、ヤングチャンピオン関連もよく編集し、これらはもろにアセティア案件である。その中で異質なのが七尾和晃の記事、清泉亮の記事、そして山口連続殺人放火事件の記事だ。当初はノンフィクション作家に関心があるためどちらも編集してあったのかと思ったが、ノンフィクション作家の記事は七尾和晃と清泉亮のみだった。つまりこの人もまた、七尾和晃と清泉亮を結びつけて編集したと考えるのが自然だろう。ちなみに山口連続殺人放火事件の記事については、清泉亮による記事の内容を記載し、その一年後自ら削除した感じだ。

正直なところ、編集履歴の偏りっぷりから言ってアセティアの関係者か熱心なアセティア推しファンのどちらかに思えるが、そう考えたとしても2016年の時点で七尾和晃の記事を編集していたことは特筆に値するかと思う。ヤングチャンピオンだのアイドルだのは趣味と思えばいいが、七尾和晃は……個人的な推し作家とか?関係者にしろファンにしろアセティア及び清泉亮周辺に通じた人物と仮定すると、訃報ツイートを悪質な悪戯とするのにも一定の信頼性があるような気がする。また、この人は清泉亮の死去関連は削除したが、七尾和晃の没年はソースが消えているとしてソース削除のみに留めている。つまり、初代七尾和晃の死および没年月日については認めているととれる(ソースが消えているのに)。これは何を意味するのか。まあ、べつに事情に通じてなどいない完全な第三者の可能性も十分あり、その場合はなんの意味もないだろうと思うけれども。

清泉亮……アセティア……柴田剛……七尾和晃……週刊新潮……訃報ツイート……Wikipedia作成者……Lovely chacha……繋がるようで繋がらないようで、なんとも混乱してしまう。謎というのはワクワクして時間をむやみに費やしてしまうが、さすがにもうやめておく。

第一、謎というのは文字情報等不完全なメディアを通して見るから想像がふくらみワクワクするのであって、現実の物事として落とし込んでみれば面白みはだいぶ欠けてしまう。ネット越しに文字情報だけで知っていた人も、直に会えばまるで印象が違うし、実在性による良い意味での幻滅みたいなものがある。未解決事件だって、犯人がわかってその顔と謎が明らかになるとなんだそんなことか……と思うことになるし、犯人と直接話すようなことになれば、たとえ想像通りの人物だったとしても幻滅するだろう。

いないとは思うがここまで読んだ人がいるとすれば、清泉亮等について極めてミステリアスな印象を持ったかもしれない。でも彼は顔も声もわかるただのおじさんだ。その他の人物にしろ、顔も声もわからなくとも、その辺にいるただの人であり、謎は自分の頭の中にしかない。ここまで書いておいて今更だが、ただの興味本位で根掘り葉掘り調べて謎扱いして面白がるのは、実在する人物相手に大変失礼なことだと思う。すみません。

この文章は清泉亮、アセティア及び記載した全ての人物、組織について、誹謗中傷の意図は全くないことを、最後に書き添えておく。