先日、プロジェクトKVが中止になった。9月1日の公式サイト発表から1週間、9月8日没。

プロジェクトKVについては9月1日以降、ここやTwitter(X)でずっと注目して色々グチグチと書いてきた。
主な関心は日本向けに表立って行われたこと、つまりプロジェクトKVの発表自体とかコミケ参加関連、公式アカウント運用といったことについて。端的に言えば、不可解だから理由を知りたかった。
あと、これらの行動がなぜ炎上(と言うには日本ではやや小規模な騒ぎだったが)につながったのか、何が良くなかったのかとかを考えて、文字をこねくり回していた。

韓国で騒がれていたBlindやDCinsideの暴露情報やニュースサイトの取材情報についてはあえてあまり触れてこなかった(もちろん情報収集には含めた)。
理由の一つは自分が韓国コミュニティに疎く、それらの情報の信憑性についての感覚がわからなかったこと。しかし概ね、Blindの情報は信用されていて、DCinsideは全く信用に足らないが今回は名刺の提示があった投稿に関してのみ信用されている、といった印象を受けた。あと、ニュースサイト記者の所感みたいなのは信用されてなさそうだ。
もう一つの理由は、そもそもその暴露情報が上記の関心事項にあまり関係なかったからだ。インセンティブ隠しとか引き抜きとか、情報の持ち出しだとか、ディナミスワンのプログラマーが少ないとか、そういう情報は「なぜディナミスワン側がこんなことをしたのか?」という疑問とは大して関係がない。
逆に言うと多少なりとも関係がありそうな情報についてはちょっと関心があった。公式サイトが外注とか(これはサイトの内部情報で既にわかっていたが)、日本語を扱えるスタッフがいないとか、ディナミスワンの入口にはプロジェクトKVの等身大の何かが置いてありブルアカのスタジオに似せているっぽいとか、コミケ謝罪は上っ面だとか(そんなことは暴露されるまでもなくわかっている)、そういう話があった。
韓国情報で個人的に少し重要だったのは、ディナミスワン側が「ネクソンがここまで怒ると思わなかった」と記者に話した(らしい)点だ。つまり自分たちの行動について過度に楽観的だった可能性がある。

さて、公式の「プロジェクトKV中止に関してのご案内」は以下リンク先にある。
https://x.com/DynamisOne/status/1832722210160554111

(以下、引用)
プロジェクトKV中止に関してのご案内

この度は、弊社の『プロジェクトKV』に関し、問題と騒動でご心配をおかけしました点、深くお詫び申し上げます。 弊社の至らなさにより生じた多くのご懸念、お声に関しまして、どのような決定をし、お答えするべきか深く悩みました。

弊社の未熟さにより皆様にこれ以上のご迷惑をおかけしないため、またご不便をおかけしないよう、『プロジェクトKV』は中止することにいたしました。『プロジェクトKV』を応援して下さったファンの皆様にもご心配をお掛けしてしまったこと、お詫びいたします。

また、現在配信中のゲームのファンの方々にもご迷惑をおかけいたしました。『プロジェクトKV』は中止することといたし、関連の資料はすべて削除させていただきます。

これからはご期待に応えられますよう、一層精進してまいります。

ディナミス・ワン
(引用、以上)

「問題と騒動」「弊社の至らなさ」「弊社の未熟さ」「ご迷惑」「ご不便」「現在配信中のゲームのファンの方々」……初見の人が読んでこれらの意味がわかるのだろうか。自分にわかるのは「現在配信中のゲーム」がおそらくブルーアーカイブを指すのではないか、というくらいだ。
まあ、最低限プロジェクトKVが中止するのはわかるので、別にいいのだけど。
しかし代表であるパク・ビョンリムの名前がここにあるべきじゃなかろうか。本件においてパク・ビョンリム元ブルアカPDは最大の中心人物と言っていいのだけど、事ここに至っても全く名前が出てこない。

ここで特筆すべきは2点。
1.韓国語版がある
プロジェクトKVは徹底して日本向けにマーケティングをし、韓国語・英語の発信も一切行わず、韓国国内の炎上に対してすら一切反応しない姿勢を貫いてきた(それが韓国人の反感を買った面もあるだろう)。要するに韓国では当初展開しない予定だったということだ。それが中止発表の時だけ韓国語版を併記するというのは、韓国向けに特別に発信する理由があったということだろう。
2.「関連の資料は全て削除」
普通、関連の資料を全て削除などする必要はないし、するとしてもわざわざそれを言う必要もない。そもそも関連の資料とは何を指すのか。なんにしろ、特別に公に発信する理由があったということだろう。
この2点をあわせると、何らかの問題が発生してプロジェクトの中止とともに関連資料の削除をする必要が発生し、その意思表示を韓国向けに行う必要があった、と見ることもできる。まあ、これはただの憶測遊びだ。
あと、もうひとつの可能性として、関連の資料というのが誤訳か何かで、単に公式サイトやPVといった公表物を削除する、と言った意味かもしれない。それなら自然ではある。2024年始動!と永遠に言い続けてもしかたないだろうし。
何にしても韓国向けの発信がここに来て初めて行われたのは注目すべき点だろう。中止の理由の一つには韓国での何らかの動向があるのかもしれない。

個人的には、たかがネットの炎上でプロジェクトを中止するとはあまり思っていない。日本の騒ぎはそこまで大したことがなかったし、韓国の騒ぎはずっとガン無視できていたのだから。
なので、何か実務上の問題が発生して中止せざるを得なくなったのではないかと思っている。パッと思いつくのは、ネクソンとの間の問題だ。その問題は炎上がきっかけで俎上に上がったのかもしれない。
というのも憶測ではあるのだけど……なんにしても、気になる疑問がひとつ増えたことにはなる。「なぜプロジェクトKVは中止されたのか?」まあ、答えは出ないだろうけど……。

冒頭に書いたように、ここ数日はずっとそのような疑問について考えてきた。プロジェクトKVの不可解な行動の理由は何か。ここまで至ったのは何が悪かったのか。

何がしたかったのかは結局のところわからないままに終わりそうだ。上述のとおり過度に楽観的だったふしがあるため、本当に大したことは何も考えてなかったのかもしれない。しかし、ブルアカユーザーを徹底的に狙い撃ちしたマーケティングには明確な意図を感じるので、それで何が得られると思ったのか、知りたい。
徹底的にブルアカに被せた理由について、適当に考えた三つの可能性は以下のとおり。
「プロジェクトKVをブルアカの関連作と誤認させる」→一発でバレる(バレた)
「ブルアカの精神的後継作を主張する」→ネクソンと衝突するのが目に見えている
「徹底的に真似するしかお金を集める策がなかった」→そんなことある?
いずれにしても、ブルアカユーザーをごそっと持っていけるという算段はあったのだろうと思う。極めて楽観的に。それでやりすぎちゃったという事なのだろうか。
実際、安全にブルアカユーザーをごそっと持っていく方法はあった。過度に似せすぎないことだ。最低でも光輪と空の線は省くべきだった。あとは元スタッフの威光で引っ張れる。

何が悪かったのかは、韓国での炎上も含まれるが、いったんプロジェクトKVが日本向けに表立ってやったことについてだけ語るなら、やはりブルアカユーザーを徹底的に狙い撃ちしたことが一番に挙げられるだろう。
ブルアカユーザー向けの徹底的アピールを行い、ブルアカ関連作かと誤認させながら、ブルアカ元コアスタッフによる新作と発表。ここまではプロジェクトKVへの期待が不安を覆い隠していたが、9月1日にブルアカと無関係であることがわかると(というか本当は最初からわかっていたのだけど、誰も信じたくなかった)、プロジェクトKVへの期待はブルアカへの不安に変わり、ブルアカユーザーに動揺が走った。この動揺が反感を誘発し炎上に発展するわけだ。
また、ブルアカの精神的後継作とアピールするような行為は、ブルアカとは当然競合するし、それだけでなく、ネクソンが今後展開予定だったプロジェクトRXとも競合することになるため、ネクソンとの関係という意味でも悪かったかもしれない。加えて、ブルアカと明らかに競合する点から、円満退社を祝われたにも関わらず古巣への義理を欠いたとみなし、人間性に失望した人もいた。
加えて、ブルアカの元スター開発者が作る新作ということで期待されていたところ、お出しされたのが古巣の要素を拝借しまくったブルアカの焼き直しだった、という創作性への失望もよく見られた。ブルアカは企業の著作物であるので、元スタッフとはいえそれをパクるとは何事かという意見も少しあった。もっとも、ブルアカのサービス終了後ならそこはあまり問題にならなかった気がするが。
あとは、コミケ参加の件で適当に謝罪という名の嘘をついたこと、さらにそれをFAのRTで押し流したことは印象を悪化させた。
そもそも公式アカウントでFAのRTをやったことが軽率だったし、エロイラストまでRTしたのは全く擁護できない。別にこれが悪い結果につながった訳ではないが、悪印象を抱く人もいた。
まあ、大体こんなところか。

日本国内での反応については、さほど韓国内でのリーク等が影響しなかったため(もちろん一部は反応した。自分含め)、炎上としては比較的穏やかな方に収まった。目立って騒ぎになったのは9月1日の発表時と9月8日の中止発表時くらいだ。あとはあくまでブルアカユーザーの感情の問題という感じ。
もちろん、感情の問題はとても重要だ。法的に問題ないから騒ぐべきでない、と主張する向きもあったが、法的に問題なければ何をしても文句を言われないというはずもない。小さな怒りや動揺が集まって騒動という現象になる。今回はブルアカユーザーを徹底的に狙い撃ちして動揺させたので、騒ぎになるのは火を見るより明らかだった。ただ、韓国のそれと比べて日本国内では道義的な追求は少なかった。
なので、国内での炎上の肌感については、以下の記事でよく説明されている。9月3日時点の記事で(コミケ関連がその後追記されたが)、プロジェクトKVの国内での炎上が9月1日から始まったことを考えるとけっこう早かったのだけど、開発中止に至った9月8日まで、さしてここから進展はなかった。

プロジェクトKVってなんだよ!?
https://rojiuragame.com/2024/09/03/%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b8%e3%82%a7%e3%82%af%e3%83%88kv%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%aa%e3%82%93%e3%81%a0%e3%82%88%ef%bc%81%ef%bc%9f/

(追記)
全く大したことではないが、個人的に衝撃だった件が上記記事にさほど書かれていないので書き留めておく。純粋な不純物氏が一コマ漫画に起用されたことについてだ。
もともとプロジェクトKVには告知画像などに描かれているマスコットキャラのようなものがいた。ウサギ耳の黒髪の少女たちだ。これは絵柄から見てCHANxCO氏が手がけたもの。すなわちブルーアーカイブにおいて頭身の低い絵柄で四コマ漫画や告知画像を手がけている純粋な不純物氏の立ち位置が、プロジェクトKVではCHANxCO氏だろうと思っていた。数少ない明確な差別点で、安心材料でもあった。
そうしたらいきなり出てきた一コマ漫画がCHANxCO氏ではなく純粋な不純物氏だったので、もう大変に驚いた。違うと思ってたのに!腰が抜けたと言っても過言ではない。過言か。まあそれくらい、急転直下という気分だった。
それまでの流れと合わせて、マーケティングを徹底的にブルアカに被せようとしていると確信させるに足る出来事だった。
(追記終わり)

なお、上記記事では韓国での炎上内容にも触れられているが、さすがにかなり端折られていたり最新から比べると情報が古かったりするので、話半分に受けとっておいた方がいい。

韓国での騒動に関しては、上述したように自分が韓国コミュニティの感覚を欠いているので、詳細に説明はできないが、端的に言えば、元コアスタッフの人間性に強く失望し非難しているという状態だ。まあ、まとまってるところがあると思うので、詳しくは探してみてください。namuwikiとかで概要あさってもいいし、namuwikiはリーク関連の情報が不足しているのでリーク原文や、韓国のニュース記事を見たりとか。この話題を扱ったYouTubeの動画は一通り見てみたけれど、けっこう情報自体間違ってたりピントのずれた主張をしたりしているものが多いので、自分で調べた方がいいと思う。まあ、別に私が間違ってないと言えるわけではないけれど。
基本情報としてはソ・ジョンギュン記者の記事はカバーしておきたい。本件で最も確度が高いとされている情報源のはずなので。
https://news.mtn.co.kr/news-detail/2024081411035063251
https://news.mtn.co.kr/news-detail/2024090819541323726
その他暴露や取材の詳しい内容についてはあえてここまでではあまり触れないようにして書いている。なので、上述した中で「よくわからないな〜」と言ってるけど普通に暴露内容と合わせたら説明がついたり印象が変わるやつがある。例えば最新の暴露(信憑性は低め)では「プロジェクトKVはプロジェクトkivotos」という内容があり、これが事実であればブルアカの精神的後継作を主張する意図があった、ということになる。ただ、いったんここまででは極力そういうのは考慮から外す。
なんにしても、日本では「なんか応援できないな〜……」くらいの扱いだったのだけど、韓国では「金に目が眩んで古巣に砂をかけた愚かな裏切り者ども」くらい(いやそれ以上?)の扱いになっている。

そのような状態で矢面に立っているのは、プロジェクトKVのコアスタッフであるisakusan、DoReMi、Mx2J、ミツキヨといった面々だ(サークル黒ネズミ以下略のメンバーでもある)。ミツキヨ氏は外部の人間だったため非難の的からは外れているが(それにしたって多分プロジェクトの中心人物だろうしかなりのことを知っていると思うのだけど)、他の3名はかなり苛烈に叩かれている。韓国でのキャリアを破滅させると言わんばかりだ。
事ここに至っては本人たちからの何らかの弁明がなければ名誉は回復しないと思われるが、今のところそのような動きはない。DoReMi氏がプロジェクト中止についての簡単な言葉を述べたくらいで、あとの人はRTなどで済ませている(hwansang→DoReMiツイート及びディナミスワン発表RT、Mx2J→ディナミスワン発表RT、isakusan→9月1日以降動きなし)。DoReMi氏が代表者なわけがないのだけれど、他の人たちは何も言うことがないのだろうか。
何にしても、ここまでスタッフが矢面に立たされていても、パク・ビョンリム氏の名前は出てこない。本来、彼にはスタッフを守る責任があるのではないか。少なくとも、パク・ビョンリム、isakusan(ヤン・ジュヨン)、hwansang(キム・イン)の三名には何らかの説明をする責任があったのではなかろうかと思う。だが実際に発言したのはDoReMi氏だ。別にDoReMi氏の印象が良いからではなく、DoReMi氏も過去の発言がリークされ、韓国内では極めて評判が悪いと聞く。叩かれるリスクをとって発信するのはまず責任の重い立場の人々からではなかろうかと思う。とりあえずまずはディナミスワンの中止発表にパク・ビョンリムと署名があればもっと格好がついた話だ。
まあ、DoReMi氏がディナミスワンのナンバー2だと言うなら話は変わってくるけれど……そんなことはないだろう。多分。
ちなみにDoReMi氏は騒動中から現在に至るまで絶えずブルアカFAやプロジェクトKVFAをRTし続けている。それ自体が一部で物議を醸しているのはともかくとして、せめて中止発表以後少しの間は静かにした方がいいのでは……。

そういったところも含め、ディナミスワンには「これをやったらいけない」と判断できる人がいなかったのだろうと思うし、状況が逆風に転じた時「これをやらないといけない」と判断できる人もいなかったのだろう。
誰がプロジェクトKVの出発点だったかはわからないが、一線を越える前に誰かが止めるべきだった。最終的にはパク・ビョンリム氏が、ということになるかと思うが、未だにパク・ビョンリム氏の名前は出てこない。ディナミスワンにはそのような責任を取る大人が誰もいなかったのかもしれない。
そういったことが今回の開発中止で改めて結果的にもよくわかった。

あとは適当な所感。

Mx2J氏の直近で手がけたブルアカキャラのイラストが、プロジェクトKVの糸此上かおるのイラストと比べて(あるいは以前のMx2J氏のイラストより)クオリティが低いと批判されている件については、この話題が出る前から、ブルアカの最近のアート方針に合わせた画風の調整だと思っていたので、だいぶ気の毒に思っている。
まあ、たしかに糸此上かおるのイラストは秀逸で、プロジェクトKVのFAも体感7、8割くらい糸此上かおるになるほどだった。ブルアカでのイラストについても、キララとかのあたりの画風の方が好きではある。後の方の時期だとキキョウも良かったな。

ブルアカファンの一部が今回の件を受けて、エデン条約編や最終編もそこまで面白くなかった、などと手のひら返しをしていて悲しい、という意見を目にした。2パターンあると思う。まず、元々そんなに良く思っていなかった人々が、情勢の変化で声を上げやすくなったパターン。もう1つは、作者の悪印象が作品のイメージに影響したパターン。
自分はと言うと、エデン条約編は結構面白かったが、最終編はそこまででもなかった。
ただ、以前にも書いたとおり、むしろ自分はメインストーリーの中でアビドス3章が一番面白かったと思っているので、今回の件でアビドス3章がめちゃくちゃに叩かれている(という程でもないか)件の方がちょっと微妙な気持ち。そりゃあ雑だったり投げっぱなしだったり話のつながりや整合性がなおざりになってはいたけどさあ。今回の件の前から不満は結構見られたけど、上述のように、情勢の変化でさらに声を上げやすくなったのだろう。
あと韓国ではこれからアビドス3章が実装されると思うのだけどどうするんだろう。韓国の人はストーリーが素直に楽しめないだろうというのもあるし、ラストの「Original story by isakusan」はもはやギャグでは。笑わないとやってられないという意味で。祝福された門出だったんだけどなあ……。

プロジェクトKV自体については正直アートワークやキャラ絵だけは魅力的だったので、なんとかそれらが活かされる方向に軟着陸しないだろうかと思っていたけれど、無理だった。それどころか関連資料を削除されてしまった(まあこの表現には上述のとおり別解釈の余地があるけれども)。
別に光輪とかなければキャラは使い回せたのではとも思うけれど……。

プロジェクトKVが実際どんなソシャゲを作ろうとしていたのかは気になるところだ。
リーク情報がらみ(確度は高め)になってしまうが、プログラマーの引き抜きに失敗した結果現在プログラマーが少数しかいない、という情報もあり、そこから転じて、設定とアートワークしか存在しないハリボテなのではないかとも推測されていた。そうであれば、もしかするとまだ何もゲーム内容について考えて(確定して)いなかったかもしれない。
またこれもリーク情報がらみ(確度は低め)になるけれど、初期に廃棄したコンセプトがタイマン形式のターン制バトルだったという情報もある。
とまあ、当たり前だけど、リーク情報抜きでは全く語れない。まあ、何一つゲーム内容を明かさないまま消えたゲームのことを考えても、雲をつかむような話ですらない。虚無だ。

プロジェクトKV・ディナミスワンの事を追うのはもうやめよう……とアビドス3章の先生みたいなことを言いたいところだけれど、やはり関心はある。
なぜこんなことをしたのか、どうするつもりだったのか、ということは今でも知りたい。知りたいが、プロジェクトKVが開発中止となり一旦の区切りがついた今、新しい情報もほとんど出てこなくなるだろうと思う。
あとはスタッフたちの行く末だ。ディナミスワンはこのまま存続できるのだろうか?そこから既に疑問があるけれど。存続できなかったらそこはそれまでとして、存続した場合、今度はどんなことをやるのか?いい意味でも悪い意味でも気になってしまう。
スタッフたちはこのままディナミスワンに残るのだろうか?ブルアカユーザーの中には、イラストレーターについてはまたブルアカで描いて欲しいという意見もある。それができればそれに越したことはないのだけど、現実的には(人員の都合や、ユーザーや社員の反感などもあって)無理な気がするし、本人たちもその気はサラサラないんじゃないかと思う。ディナミスワンに残るんじゃなかろうか。

個人的には、いくらブルアカのコアスタッフだったからと言って、このままディナミスワンでゲームを作ってヒットできるとはあまり思えない。
目論見通りブルアカの模造品をリリースして受け入れられていたら、それは間違いなくブルアカユーザーを引きつけ、ヒット作になっただろう。彼らはブルアカユーザーから愛されていたから、ブルアカの模造品でなくともブルアカユーザーは引きつけられていたに違いない。
しかし今は違う。ブルアカの模造品は開発中止になり、彼らはもはや軽蔑の対象になってしまった(今のところは)。ディナミスワンのスタッフの名前はアピールポイントどころか悪印象を持たれてしまう。ブルアカユーザー以外からすれば、悪印象こそないものの、いい印象もない。
ゼロからどころかマイナスからコンテンツを作り上げていく必要がある。

自分にとってはクリエイターの人々は今でも尊敬の対象で、作品をもっと見たいと思う(それがブルアカであれば最高だった)。しかし彼らが厳しい目で見られるのも、つらいけれど、仕方がないと思う。だから個人的には、せめて何らかの弁明をして、手遅れでもダメコンをしてほしいところなのだけど……。

まあ、そんな感じで、とりあえず自分の中でも一区切りにしようと思う。最近はプロジェクトKVのことを考えすぎた。