グラブルがなんか炎上してたらしいので調べてみたら、リミテッド交換チケットの交換を忘れていた人のために交換期限を延長(それに伴いチケット再配布)という対応がゴネ得だ悪手だと叩かれていた。
当然それに伴って、運営に問い合せた(ゴネた)と思われる「交換しなかった人」も叩かれていた。
もちろん交換忘れで運営に問い合せた人もいたのだろうけれど、交換していない層の詳細は運営にとっては丸見えなので、交換していない人が運営にとって予想外に多かった(重要な層だった)のだろうと思う。
交換期限延長自体は誰にとっても損はないし、サマーフォーチュンのように著しく不平等なわけでもないし、対応自体もそんなに難しくないから、運営としてはまあみんな喜ぶと思ってやったのかもしれない。蓋を開けてみればむしろ叩かれて炎上するのだから運営も悩ましいところだ。
まず前提として自分はリミチケを忘れずに交換した立場なのだけど、これについては正直、運営(及び交換を忘れた人)を叩くのはあまり賛同できないな、という気持ちがある。
叩いてる人達は当然リミチケの交換を忘れなかった意識の高い騎空士なのだろうけれど、まず、交換を忘れただけの人とゴネた人を分ける必要があると思うのに、なんか交換を忘れること自体が責められているような状況に一部なっていたのがまず見ていて苦しい。意識の低い騎空士を一緒くたに仮想敵にして責め立てて排除する先にあるのはグラブルのユーザー減少だと思う。
で、そもそもこれが上述の通り誰も損や不平等を被っていないのに叩かれているのは、「ゴネ得の前例になるから」ということが主な理由として挙げられている。一度例外的な要求に対応してしまったら、その後もずっと引き合いに出されて何かある度に理不尽な要求が繰り返される、ということである。
そこから話を展開して、ゴネられた施策は廃止される(リミチケ交換チケが今後廃止される)という主張をする人も多く、批判が集まってその後開催されていないサマーフォーチュンを引き合いに出す人も多い。(サマフォになんの不満も抱かなかった人の意見なのだろうと思うが)
まず、ゴネ得になって運営が苦労する、というのはユーザーが心配する事柄ではないと思う。運営はユーザーが心配する以上の事を百も承知のはずだ。
理不尽な要求が増えることは後述するとおり様々な要求に対応してきた歴史を踏まえて当然考慮しているだろうし、理不尽な要求に対応するかは依然として運営の匙加減ひとつであって、今回ゴネ得になったからと言って次も同じ対応をしなければならないという発想は、ゴネる側に都合のいい決めつけに過ぎない。(それがゴネ得の批判として出てるのが面白いところだが)
次に、グラブルはゴネ得というか、ユーザーの要求や問合せに対応してきた歴史がある。今度整備された巻き戻し対応などその最たるもので、長年続いてきたこの施策を批判していた人は少なかった。自分もうっかりやりかねないという意識があるからだろうか。ゲーム部分で言えば旧アーカルムやディフェンドオーダーはかなりの不評により撤回された。ガチャの度重なる改修もその一つではあるだろう。天井やムーンの実装とかね。引き合いに出されているサマーフォーチュンもユーザーの批判に対応した一例だ。自分が思いつかないだけでその他にも数々の事例があると思うし、他のゲームでも大体似たようなものだ。
つまり、ゴネ得を叩くのは正直今更な話であろうと思う。少なくとも巻き戻し対応が特に叩かれもせず許されているというところで、運営は安心してリミチケ再配布の対応を行ったのではないかと思う。
最後に、(サマーフォーチュンについてもそうなのだけど)今回のリミテッド交換チケの施策が今後なくなるかどうかについては、考えるだけ無駄だと思う。
昨年はリミテッド交換チケはなかったと思うし(その時自分は引退中だったのでよく覚えていないが)、来年またリミテッド交換チケを配る義務など運営にはない。
ゴネたやつらのせいで来年のリミテッド交換チケがなくなる、と言う論調には、リミテッド交換チケをあって当たり前だと思う心情が見て取れるし、正直傍から見てるとゴネたやつらよりそれを叩く人の方が圧倒的に炎上を主導していたように見えるので、ゴネ(問合せ)と炎上どちらが運営に悪印象を与えるかは難しいところだ。ゴネた騎空士がどれだけいたのかも表面上はわからないし。
まあ、グダグダと遠回しに書いてきたけれど、率直な印象としては、ゴネ得の悪影響がどうというのは後付けの理屈で、意識の高い騎空士の多くは運営にゴネるユーザーが感情的に嫌いなのだと思う。炎上を主導している層の動機としては、嫌いなやつらの思いどおりになった(ように見える)状況が悔しくて仕方ない、だからそのような対応をした運営も批判する、というのが本当のところだろう。
別にそれが悪いとは言わないが、それと同じようにリミチケ交換忘れをSNSで愚痴ったり運営に問合せるのも自由なわけで、全ては運営の匙加減に過ぎない。
で、自分としては何も損はしていないし、意識の低い騎空士のさらなるモチベ低下も多少は防げただろうと思うし、運営の匙加減と言われて納得出来る範囲に収まっているので、運営の寛大な対応を賞賛こそすれ、批判する理由は別に何もない。
だから、むしろこれでユーザー間の対立が煽られて意識の低い騎空士が責め立てられて離脱していく恐れがあることが懸念事項だと思う。
また、ユーザー間で対立が起こって環境が悪化するような施策に運営がさらに及び腰になる可能性も高い。この場合問題があるのはゴネたことでなく炎上の方なのだけど、まあそれが起こるような施策自体が現在のグラブルにマッチしてないということなので(サマフォは最たる例)、及び腰になった方がいいとは思う。
とはいえ、今回の炎上は予測するのが極めて困難だったので、改善策はあまり思いつかないと思うけれど。
ところで、自分は仕事で同僚向けに締切を設定することが多く、その時二段階で締切を設定することがほとんどだ。結構な数の人は第一の締切を守らないので(リマインドとかしても)、予め早めに第一の締切を設定しておいて、本当の締切(第二の締切)までに多めに余裕を持たせておく。そうすると本当の締切を破られる可能性はかなり低くなる。これが最初から本当の締切を第一締切にしてしまうと、本当の締切を破られてしまうので良くない。
仕事ですらこれなのだから、たかがゲームに対してはより人々の感覚が緩くなるのが容易に想像できる。
そこでリミチケのことを考えるに、これほどの大盤振る舞い、運営の立場に立ってみれば、これは絶対に利用して欲しい施策だろうと思う。交換忘れは運営の意図と逆効果にすらなる。そのためにリマインドなどやれる手は十分打ってあったと思うが、もし自分だったら、加えて何らかの形で第二の締切を設定したかもしれない。
もちろん、これが今回のことに当てはまるとは限らないが。
まあ、とはいえ、レジェフェス無料期間終了直後にリミチケ交換期限を設定するのは良くなかったと思う。普通の事情があればレジェフェス無料期間中にリミチケを使用することはないし、その後約一日程度しか猶予がなければ、忘れる人が増えるのも容易に想像できる。数日くらいは猶予が欲しいものだ。
普段はグラブル運営に不満タラタラな自分でさえも、運営が気の毒になってしまう出来事だなあと思った。今回のことからわかる教訓としては、「(嫌いな)ユーザーの要望を毅然とした態度で拒否する強い運営」こそが今の騎空士から求められているということかもしれない。う〜ん、無茶。