映画それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルンを観た。
7月2日、立川シネマシティにて。

普段アンパンマンは見ないというか、子供の頃でさえアンパンマンをろくに見た記憶がないのだけど、良作と聞いたので観に行った。
しかし冒頭で脚本米村正二と出てきて警戒レベルが上がる。昔プリキュアを見ていた身としては、米村脚本は警戒の対象だったのだ。微妙な時だいたい米村脚本だったから(なのでスマプリはあんまり好きじゃない)。

まあ結局それは杞憂で、普通に面白かった。もちろん子供向けという前提でかなりの譲歩は必要だし、よくできた話とは言いづらいけれど、見るべきところはあった。
ばいきんまんというキャラクターを掘り下げる(設定をではなくキャラクター性を掘り下げる)作品で、ばいきんまんに肩入れしてしまうタイプの子供だった自分もニッコリ。

子供の頃の自分がばいきんまんになぜ肩入れしていたのかというと、アンパンマンはナチュラルボーン暴力で戦っているが、ばいきんまんは努力と苦労の末に作り上げたメカで戦っているからだ。さすがにメカが無から生まれないのは子供だってわかるし、ばいきんまんの実力はメカを使ってでしかアンパンマンに太刀打ちできないレベルなのもわかる。
ばいきんまんが悪いのはわかっているが、手間暇かけて作り上げたであろうメカで挑むも、生まれ持ったアンパンチ一発で吹っ飛ばされる無情な構図があるのもまた事実だろう。
ばいきんまんは頑張っているのにアンパンマンは……という気持ちがあったことは否定できない。いやアンパンマンは暴力以外のところで頑張ってるんだけどね!?

そういう感じだったので、今作のばいきんまんは解釈一致。

今作の敵「すいとるゾウ」はとにかくめちゃくちゃ強い。どうやって倒すんだよこんなの……と思わせてくれる強い敵はストーリーの先が読めなくて好き。
敵の正体もその扱い方もすごく良かった。

よく出来た話に見えづらいところは、全体的に物語的な構図としてのエモさに特化していて、「どうしてそうなったのか」の説明を多分あえて省略したんだろうなと思う(子供向けでそこ掘り下げても尺の無駄だとは思う)。

どうでもいいけど、冒頭で踊るカバオを回り込みながら撮ってるシーンだけ作画がヤバいくらい良くて、今作ベスト作画はあそこじゃないかと思うのだけど、あそこがベストでいいのか?

惜しむらくは劇場が自分ともう一人しかいなかったことで、これはやはりお子様が見に来る休日に見た方が良かったなと思った。それ狙いでもう1回見ようかな。

いちおう星三つで。面白かった。
★★★☆☆