にせぞーの映画体験のもっとも古い記憶は、小2で父に連れられて、当時大分に2つあった映画館のひとつセントラルシネマに見に行った「ジャイアントピーチ」です。実写だった主人公が人形になってしまったり、骸骨の海賊に襲われたりするのが恐ろしかったのをよく覚えています。5年ほど後、キングダムハーツがきっかけで「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」にハマったわけですが、あの海賊がジャックだったとはしばらく知りませんでした。

2000年にトキハわさだタウンのシネフレックスができたのを皮切りにいわゆるシネコンが大分に参入し始め、ショッピングモールではなく繁華街の中にあるセントラルシネマへの客足は次第に遠ざかり、建物の上階もカラオケ店になりました(どちらが先だったかは覚えていませんが)。それでも大学に入るまでセントラルシネマにはたびたび行きました。

その後2010年にセントラルシネマは閉館、シネコンでない映画館は大分ではいわゆる単館系の映画を扱う、ミニシアターのシネマ5のみになりました。セントラルシネマのエントランスだった高いビルはなくなり、背の低い公民館のような建物になっています(名前忘れた)。

昨日は「この世界の片隅に」を観に行ったわけですが、感想記事をアップする前に書きたかったのは、上映館がかつてのセントラルシネマ地下のシアターをシネマ5が引き取ったシネマ5bisだったこと。表の高いビルがなくなったので、てっきり全てなくなったのかと思っていましたが、劇場の本体部分は残ってたんですね(考えてみればカラオケ店か残っているので当然ではあるんですが)。

そんなわけで元エントランスの反対側にある入り口から入ってみると


どかーん!

この階段!この通路!あの位置のエレベーター!覚えてる!遠い記憶の中にある!!これ地下の階段だったのか!!ぐわーっ!!映画見る前から涙腺が!!

あまりこの辺には来たことがありませんでした。あまり目当ての映画がやってなかったのかな。基本的には上の階で、エントランス奥の頼りない鉄板の螺旋階段かここのじゃないエレベーターで上がっていった記憶。でもここのエレベーターも帰りに使ったことがある気がします。エレベーター側から、この写真左側のベンチがある辺り(よりさらに手前の写ってない辺り)の壁にパイレーツオブカリビアンのでっかいポスターが貼ってあるのを見た記憶もあります。あの時はまさかシリーズ化するなんて思わなかったなあ…。そんな他の誰にも伝わらない思い入れのあるなんでもない風景。

北海道の大学に行った後、不意に廃業したことを聞いて心底残念でした。なくなってから急に大切な場所だったように思えて、何度か夢にも見ました。そうやって諦めていた風景が実はまだ残っていて、現実に目の前に広がってくれると、筆舌に尽くしがたい気持ちになりますね。まあ廃業からまだ数年しか経ってないですが、やっぱり数年って長い時間なのかもしれない。

ちなみにセントラルシネマの他の上階シアターもまだ残っているようです。

「最高の(国東)人生の見つけ方」
魁!!リノベ塾 vol.9
期間 平成28年3月27日(日)
時間 15:30~17:40(受付開始15:00~)
場所 セントラルプラザ 4階(カラオケRAGURAGU 大分市府内町3-7-7
http://www.shinoita.com/event/2596
こちらのイベントは4階シアターで行われたそうで。

とはいえやっぱりあのエントランスももう一度見たいなあと思っちゃいますね。昔は同じ階の隣にテナントがあったのかエントランスへの入り口が狭かったのを、途中からどこぞのシネコンみたいに明るく広くしたんですよ。個人的には昔の方が別世界への入り口みたいで好きでした。崖にできたスキマみたいな入り口で、右側の壁に上映映画のポスターが貼ってあって、それを横目に潜り抜けると空間が広がってチケット売り場に人が並んでる。とかちょっと大げさに表現してみる。画像検索しても出てこないや。

まあそんなことがありましたよと。なんだか今の姿も撮っておいた方がいい気がして、許可をもらってシネマ5bis劇場内を撮影させていただきました。でも受付とかの辺り撮るの忘れてた!アップしていいのかわかりませんが、少しだけ。


覚えておきたい景色はちゃんと撮っておかないとだめですね。最近は地域の昭和の町並写真集(一冊一万くらいするやつ)とかもほしい気持ちです。