2021年3月28日(日)、映画モンスターハンターを見た。

私とモンハンの関わりについては、PS2版の2(ドス)しかない。ドスガレオスも倒せないままソロでばかり遊んでいたので、全く進行せず単に島で延々とアプトノス等を狩ってスローライフを送るゲームとなっていた。スローライフゲーとしての満足度は高くプレイ時間自体はけっこうなものになったけれども、難易度が高いと感じたので、これ以後モンハンに触れることはなかった。そのすぐ後にP2及びP2Gが流行り、高校でも大学でも授業中に遊ぶ同級生が後を絶たなかったが、私は結局やらなかった。

最近はVtuber等のゲーム実況でたまに見かけるようになったけれども、私の中のモンハンは草食獣を黙々と狩るスローライフゲーなので、別のゲームを見ている感覚だ。なんか世界観も変わってるような気がする。

さて、映画の話に移るけれども、予告時点で米軍異世界転移モノになっているのはわかっていた。つまり、近代文明近代兵器がボロクソにやられる展開が確約されたようなものなので、その点には期待をかけていた。とはいえモンスターハンターに米軍か?大丈夫かこれ?という気持ちも当然あった。(便宜上米軍と言っているが、米軍だったかどうか記憶があやしい。国連軍みたいな名前だった気もする)

そして公開後、私が見た時にはかなり評判が悪くモンハンファンからボロクソに叩かれていた。残念に思っていたところ、ふと実写マリオや実写ストファイ2が好きならイケると書いてあったのを見かけ、実写マリオは好きだしイケそうだなと思って観賞に踏み切った。

満足度100%の映画だった。

加えて、実写マリオほど原作からかけ離れてもいない。実写マリオと違い、ゲームの世界観再現に腐心したのがよくわかるし、実際それは高いレベルで成功している。

それ以上あまり詳しく書くようなこともないのだけど、もう少し書いておく。最下部ではオチに触れるので注意。

まず、前半をガチのモンスターパニック映画に仕立て上げた蜘蛛のモンスターを私は知らなかった(ネルスキュラというらしい)。改めて検索してみたが、こういうタイプの造形はドスの頃の世界観では出てこなかっただろうと思う。なのでいきなり知らないモンスターだらけで面食らった。

ディアブロスも実は馴染み深いわけではない。私はただただアプトノスの肉を狩って散歩して釣りとかをしていただけなので、ドスのモンスターの半分未満くらいしか出くわしていない。ディアブロスの名前はわかるというくらいだ。なので私にとって前半は、米軍とよくわからんモンスターとトニー・ジャーが一人しか出てこないという有様だ。まあそれでも、普通にそこそこ楽しめたので良しとする。本格的にディアブロス戦が始まるころにはだいぶモンハン感が出てきていた。

ちょっと困惑したのはミラ・ジョヴォヴィッチとトニー・ジャーがめちゃくちゃ喧嘩するシーンだ。別に人間同士の格闘を求めて見に来たわけではない。しかも格闘のキレが格闘アクション映画さながらに良い。良いんだけどそれを求めてはいない。しかも長い。求めてないから無駄に長く感じる。このシーンだけは見たあとも頭に疑問符が残ったままだったので満足度120%にせず満足度100%にしたわけだけども、どうやら意外と予算が少ない映画だったらしく、それなら仕方ない気もしなくはない。その分短くしてもいいのではと思うけれども、他にも歩くシーンとかで細かく尺を稼いでいるので、なんか尺のノルマがあるのかもしれない。このシーンではミラ・ジョヴォヴィッチが突如野蛮な狂犬と化し、触れるものみな傷つけるギザギザハート状態になるので、そういう意味でも困惑した。ひたすらトニー・ジャーがかわいそうだった。とはいえこのケンカがあるとないとでは、後々の二人のバディ関係の深みが変わってくる気もする。

後半はもう大満足なので特に言うことはない。リオレウスが出てからはもうずっと大興奮だ。終盤は立ち上がってガッツポーズをしそうになってしまったし、予告にもあるので言うが、ミラ・ジョヴォヴィッチとリオレウスが対峙したシーンでは「どっちを応援したらいいんだ!?」とか思ってしまった。トニー・ジャーとのバディ関係も見ていて微笑ましい。

モンハンファンには不評のようだが、個人的には素材で武器を作ったり遠くに設置したトラップでおびき出したりといった素朴な戦い方にモンハンらしさを感じたし、後半になると露骨な要素だらけになるので、モンハンの映画としてはしっかり成立していると思った。兄貴みたいなアイルーには笑ったけれども、まああれはあれで悪くない。

最大の問題はオチがクリフハンガーであることだけれども、予想してこそいなかったものの驚きもなかった。一作目の映画バイオハザードもそうだったし。今作なんかは終盤の盛り上がりそのままに俺たちの戦いはこれからだ!と行くのでいっそ清々しい。まあこれが気に入らない人も当然いると思うけど。私が懸念するのは、これでモンハン続編をポール・アンダーソン監督が作った時、風呂敷を変な方向に広げてしまうのではないかということだ。セリフの見間違いでなければ、現代世界OUR WORLDにおいて、異世界転移ポイントあるいはモンハン世界NEW WORLDを把握している人物なり勢力がいる可能性が高い。その辺の企みが関わってくるような話になると、さすがにモンハン要素は薄れてしまうし、バイオハザードみたいにどんどんわけのわからないシリーズになっていくだろう。

今作のビジュアルや要点の押さえ方、つまるところモンハンらしさは個人的には80%くらいだ(予算を鑑みると90%くらいまで上げてもいい)。これを見る限り、真っ向からモンハン世界に絞って描くことも出来るはずなので、もしも続編があるならぜひそういう方向になってほしい。現代兵器をボコボコにするのは気持ちいいが、一作目だけでいい。いや……五作目くらいまで続いたら、またちょっとやってもいいよ。