ブラックアダムを見てきたのでネタバレ感想を書く。
とはいっても最近こういうのに使う労力と時間をできるだけ節約したくなっているので、これまでよりも簡易で短めな感じを心掛けてみる。
ネタバレクッションとしてネタバレなしテキストをいくつか挟むのでネタバレ嫌な人はそのあたりでブラウザバック。
まず大前提として、面白かったです。アメコミ映画で言えば今年トップなんじゃないかな。今年何があったっけ。
スパイダーマン、モービウス、ドクスト、ソー、ブラパン。か。
プリキュア化したスパイダーマン、クソデカ感情に定評のあるSSUのモービウス、サム・ライミ節全開のドクスト、印象の薄いソー、追悼ムードでごまかしてる感あるブラパン。
個人的にはごく一部の層に刺さるモービウスがイチ推しだけれど、冷静に考えて今年はドクターストレンジ…と思っていたところでブラックアダムがどんと突き抜けていった感じ。
最近は、しっかりユニバース展開して作品もたくさん作ってどれもお金はかかってるけどガチガチに縛られて新鮮味もなくなり安っぽさすら漂うようになったMCUに対して、作品数は少ないけど縛りが緩くて尖った良作をコンスタントに出してくれるDC映画(ジョーカーとか含む)という感じのイメージになっている。
そこをMCUにもかかわらずサム・ライミ監督がハジけてくれたからドクターストレンジは良かったんだけど、まだDC映画ほどではないから…って話がそれた。
ブラックアダムが今年のアメコミ映画で個人的トップかなあという話。
ちなみにこの映画(ブラックアダム)、前知識・予習はいらないです。この映画からアメコミ映画(DC映画)を見始めるというのでも大丈夫。
例えば、予告見ればわかる範囲で言うと、JSAというヒーローチームが出てきますが、完全にこの映画が初出です。
予告見ていきなりたくさん出てきて誰こいつら!?ってなってると思いますが大丈夫。みんなそう思ってます。
なので当然そういう人でも話が飲み込めるように作られています。
また、ブラックアダムと他ヒーロー(映画)とのストーリー上のつながりは一切ないので本当に予習が必要ありません。
ただし厳密に言うとシャザム!というDC映画と若干の設定上の関連性があるので、シャザム!を先に観て予習するのもいいし、逆にブラックアダムを観た後にシャザム!を観るとちょっと答え合わせができて楽しいかもしれません。
シャザム!も他の映画との関連性が薄い、90年代映画っぽい雰囲気の良い映画なので、導入にしてもよいかなと思います。今度シャザム!2も公開するしね。
というわけでそろそろ以下ネタバレを含みます。
特に突っ込んで文句を言うところが見つからない映画でした。
やっぱりブラックアダムが活躍するとそれだけで盛り上がるし、話が動くし、楽しい。
アクションシーンも切れ味が良く、スローモーションを多用するのはDC映画あるあるな気もしますが、やっぱり効果的。
終始ブラックアダムをどうするのか?が物語の中心に据えられていて、そのおかげで勢力が4つ(アダム、JSA、アドリアナ一家、インターギャング)ある割にわかりにくいところも少なくて良かった。
ただ強いて言うなら、カーンダックという架空の国の「現代の」設定について説明・描写不足のままだったような気がする。
ユーモアも頻繁に織り交ぜられ、劇場ではクスっという声がよく聞こえていました。
そのユーモアも単に緊張感なくおどけているわけではなくて、洒落がちゃんと効いている。
ドウェイン・ジョンソンのブラックアダムがハマっているのは当然として、その他のキャストもかなり良い。
特にメインキャラとなるJSAのホークマン(カーター)とドクター・フェイト(ケント)は良かったですね。
ホークマンなんて(鳥モチーフはだいたいそうなりがちですが)実用性皆無のコスプレファイターにしか見えないところを、パワフルで経験豊富なヒーローに仕上げているのはオルディス・ホッジの演技あってかなあと思います。白目が大きい顔立ちなので、マスクを被っていても目線がよくわかる。
他作品だと観終わっても違和感が残りっぱなしなコスプレ感を消しきれない映画というのがある中、ホークマンはかっこよく仕上げられていると思う。
ドクター・フェイトはもう、ピアース・ブロスナンがそもそも好きなんですが、あのイケおじがあの無機質なマスクを被るのがめちゃくちゃかっこいい。
グッドデザインすぎるんですけど、今回限りなんですかね……いいんですよ後のDC映画でしれっと復活しても。もったいない……。
熱かったポイントはいくつもあるし、アクションシーンはだいたい全部熱かったのだけど、特にこれと挙げるならドクター・フェイトが単身サバックに立ち向かう一連の流れですね。
アダムを中心としたストーリーの脇でドクター・フェイトとホークマンの関係性を地味にしっかり開示していたからこそあそこで熱くなるし、アダムが来るまでの時間稼ぎを買って出ているというところで、やっぱり力を手放したアダムの再度の活躍を待ちわびている観客としては、アダムが必要とされているぞという展開に嬉しくなってしまうわけです。
ドクター・フェイトに呼び起こされた無能力のアダムが職員を泥臭くなぎ倒しながら進むのも、その後臨死して家族と再会するのもいいですね。
アダムのドラマがきっちり掘り下げられているから、ここでの(CG処理でひょろくされた)アダムがかっこよく見える。
そしてドクター・フェイトの死の後アダムとJSAの共闘の中で、ホークマンがドクター・フェイトの技を使って死の未来を回避するのがまた激アツ。未来を変える友情~~!!!
しっかりとJSAのキャラを立てられているから、こういう展開が魅力的になるんですよね。
あとあの分身の技はシンプルにかっこいいですね。ただ分身してるだけなんだけど見せ方が良いのかな。
JSAに対して正義善悪の線引きを問うアドリアナのシーンも良かったです。
問うっていうか、そんなもんどうでもいいっていう感じでしたし、自分もそんなもんどうでもいいので痛快でした。
こういうのはヒーロー映画ではちょくちょく言っといてほしいですね。
あとはやっぱりポスクレのスーパーマンですかね。
まずアマンダ・ウォラーが警告してから出てくるってところでちょっとウケたんですけど。言うこと聞く関係なんかい。
で、見間違いでなければヘンリー・カヴィルがまたスーパーマンを演じてくれてるということで、もう最高。
カヴィルには申し訳ない気もするけれど、スーパーマンをまた当分演ってほしい…ハマり役なので…。
コードネームU.N.C.L.Eの続編も無さそうなので…。
ベンアフバッツともう一度並んでるのが見たい~~~~。