2024年9月
プロジェクトKV中止

先日、プロジェクトKVが中止になった。9月1日の公式サイト発表から1週間、9月8日没。

プロジェクトKVについては9月1日以降、ここやTwitter(X)でずっと注目して色々グチグチと書いてきた。
主な関心は日本向けに表立って行われたこと、つまりプロジェクトKVの発表自体とかコミケ参加関連、公式アカウント運用といったことについて。端的に言えば、不可解だから理由を知りたかった。
あと、これらの行動がなぜ炎上(と言うには日本ではやや小規模な騒ぎだったが)につながったのか、何が良くなかったのかとかを考えて、文字をこねくり回していた。

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プロジェクトKVとコミケ

面白いなあと思ったので思ったことなど書き留めておく。

9月3日、TwitterもといXにて、プロジェクトKVの公式アカウント(@DynamisOne)から謝罪のようなツイートがあった。
(なお、@DynamisOneは本来はDynamis OneというプロジェクトKVの母体企業の公式アカウントであり、なぜかプロジェクトKVの公式アカウント@projectkv_officialを立ち上げるまでの当分の間、プロジェクトKVの公式アカウントとして運用されている)

以下のツイートにリプライする形でツイートされたので、こちらに転載しておく。なお、リプライをつなげる形でのツイートでなかったため、ツイートの順序が正しいかどうかははっきり分からない。
https://x.com/DynamisOne/status/1830856220602978583

>まずは未熟な姿をお見せしてしまい、大変申し訳ありません。
>現在、多くの方々からご懸念いただいている点については認知しております。こちらのスレッドで関連の内容をご案内いたします。

>弊社の一部スタッフが参加している同人サークル「黒ネズミたちのパトス的弁証法」の活動は、企業活動とは無関係な同人活動です。

>関連する活動および記録はすべて削除・修正する予定です。同人活動に関わっている皆様にはご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。

>この件に関して、公式アカウントおよびPV内で当同人サークルのプロモーション活動を行ったことについて、深くお詫び申し上げます。

>再度、未熟な進行についてお詫び申し上げます。今後はより良い姿をお見せできるよう、努力いたします。
>引き続き、プロジェクトKVをどうぞよろしくお願いいたします。

初見で思ったのが「何を誰に謝っているんだ?」ということだった。そもそも日本語が少し怪しいという点は置いておいて(自分も人のことは言えない)、「懸念されている点」が何なのかの説明がない。この時点で主に問題視されていたのはブルーアーカイブ及びNEXONとの関係であって、同人活動についてはさほど触れられていなかった(触れてる人はいた)。
ただ、とりあえずここで言いたいことについては企業とサークルの関係が焦点なのだなということはわかる。

そして、この件に関しては、企業活動と無関係な同人活動と言うのはおかしな話だ。大仰なカウントダウンまでして公開されたプロジェクトKV公式サイトでいの一番に表示されたのは黒ネズミがコミケに出ます(受かれば)という宣伝だったし、公式ティザーPVでも黒ネズミの宣伝をしたし、公式アカウントが9月4日現在でも唯一フォローしているのが黒ネズミのアカウント(@kuronezupathos)だ。ちなみに黒ネズミが唯一フォローしているのがプロジェクトKV公式アカウント(要するに相互)。
企業活動と無関係どころか、企業活動の一環としてコンテンツの発表と共に宣伝をしている以上、黒ネズミは「企業がコンテンツの宣伝を目的に作った同人サークル」という認識でいたし、多分みんなそういう認識だったと思う。だから黒ネズミが頒布する予定のビジュアルノベルやアートブックも、当然プロジェクトKVの先行情報としての意味合いがあるだろうと思った。黒ネズミのサークルカットもプロジェクトKVの看板キャラだし。
「関連する活動および記録はすべて削除・修正する」とはいっても、企業が宣伝したという事実は消えない。まあ別に宣伝したことを謝って消すのは一旦いいとして、「企業活動と無関係な同人活動」は、通るのかそれは!?後で取り消しゃなんでも無関係で済むのか!?
まあ確かに、実際に起こったことでも後で「記憶にない」と言えばふんわりとなかったことになることも現実世界ではありますが……。

と、ここまでが初見で思った話。
で、上述したように、同人活動について問題視する人はもともと少数ながらいた。そのあたりは自分の知らなかった話で理解が浅いので正確なところは自分で調べてほしいのだけど、要するに、コミケでは企業(法人)が同人(個人)サークルとして出展するのは原則NGらしい。まあ、たしかに実質企業ブースが同人ブースの島中にドカンと現れても困るけれど……。ちなみに黒ネズミは2スペースらしい。
それが正しいのかどうかはともかく、そういう指摘があって、それに対しての対応が無関係宣言なのだろう。
つまりDynamis One及び黒ネズミの動きは、少し悪い言い方をすれば、企業の総力を上げてサークル宣伝した結果、このままだと企業なのに個人枠で申し込むなと言われてコミケを落とされかねないことに気付いたから、慌てて企業とは無関係のサークルということにして、サイトやらPVやらの証拠隠しをした、という感じにまとめられる。
つなげる形で少しフォローする言い方をすれば、そのように「誤解」されているので誤解の訂正をしつつ、「誤解を招いた」ことについての謝罪をした、とも言える。まあ、謝罪文からはそこまで読み取れないけど。

というわけで、意味不明な流れの意味がある程度察せてスッキリ〜。

したところで気になるのは、結局コミケに出るんか?ということだ。今後の道は3通りある。
・コミケに落選する。今回の件が問題視されたのかもしれないし、ただ運が悪かったのかもしれない。
・コミケに当選する。しかし何らかの理由で欠席する。
・コミケに当選し、そのまま参加する。
個人的には、コミケには特に今回の件で弾かれたりはしないのではないかと思う。別に根拠があってそう思うわけではなく、単にコミケの運営がそんなに厳正で秩序を重んじているとは思っていないからだ。いくらでも恣意的な判断くらいしそうだと思っている。なので、落選したとしたらそれは運だと思う。
欠席もしないのではないかと思う。今回の件からも、黒ネズミは企業活動と無関係「ではない」と思われるので、参加実績は重要だろう。コミケでの黒ネズミの実績が今後のプロジェクトKVのカギを握っている……かもしれないしそうではないかもしれない。
というわけで、運が悪くて落選か、運が良くて当選して参加、という全く普通の2択に落ち着いてしまった。

個人的には黒ネズミのアートブックにはかなり関心がある。ていうか普通に欲しい。DoReMi、Mx2J両氏の、制約から解き放たれた力の入ったアートが見られそうだと思うので。書いて思ったけど制約解除決戦ってそういうことですかisakusan!?isakusanけっこうアビドス3章で今回の件に絡んでそうな意味深なこと色々やらかしてるよね……。

まあそれは半分冗談としても、どうやら脱NEXONしてプロジェクトKVが何をしたかったのかがちょっと垣間見えてきつつはある。同人参加も本当は気安くやりたかったけどNEXONにいたままではやれなかったのかもしれない。
また、エロいの描かせてもらえる(と聞いて参加した)というMx2J発言があったり。あるいはパンモロ応援イラストや全年齢の範囲内で極限まで露出した応援イラストを描いたり、陰毛モロ見えファンアートをRTしたり。エロ表現ももっと制約解除したかったという印象を受けざるを得ない。

あとこれに関連して、自分もこの前言及したけれど、Mx2Jさんの画風の変化について色々悪く言われていることについてちょっと擁護したい。好みはそれぞれだと思うけれど、描き込みについては、個人的にはあれはブルアカのアートディレクションの方針でああいう描き込みの少ない画風になっていったと思っている。ので、それもあるいはNEXONで制限されていたことの一つなのかもしれない。
(もう一つの可能性として業務量が過剰で省エネ制作のために描き込みが少なくなったことが考えられるし前回は自分もそれに言及したけれど、プロジェクトKVを作ってたことと整合性が取れないので除外する。というか、整合性を取ろうとすると悪い見方になる)

じゃあそれらが制限される(ように見える)NEXONが悪いのかと言うと、まあ正直別に悪くないというか、普通だと思う。ここまでの限りでは。

まあ、ただ、陰毛モロ見えファンアートをRTしてフォロワー10万人に見せつけたのだけは正直めちゃくちゃアウトだと思っているけれど。R18ソシャゲの公式アカウントですらそんなことしてるの見た事ないぜ。そこまで制約解除するならR18コンテンツとしての覚悟を決めてほしいぜ。FANZAでエロゲーとして展開するならめっちゃ応援するぜ。
陰毛モロ見えファンアートの投稿日が9月1日で9月4日現在もRTを消していないので確固たる意思でRTしてるはずだぜ。頼んだぜ。

ちなみにスタジオアラヤはわざわざDynamis Oneと区別する必要もなかろうと思ったのでとくに本文で名を挙げはしなかった。

そういえば書き忘れていたのだけど、プロジェクトKV公式アカウントは冒頭引用した謝罪ツイートを行ったあと、特にそれを固定ツイートにするでもなく、大量のファンアートRTで押し流してしまった。
誰に向けた何のための謝罪だったのか、ただの既成事実作り程度にしか考えていなかったのか、何も考えていないのか、定かでないけれど。とりあえず謝ったあとはすぐにはしゃぎ出さずにじっとしとこう。

プロジェクトKVとブルアカへの不安

先日ブルアカのシナリオについてちょっと思うところを漫然と書いたばかりなのだけど、プロジェクトKVという新作ゲームプロジェクトの発表があった。
とくに改めて詳しく説明する気もないけれども、ブルアカの元シナリオ担当であるisakusan(以下敬称略)、その他ブルアカの看板だったクリエイター(DoReMi、Mx2J、ミツキヨ、純粋な不純物など)が参加しているようで、ニュースサイトなんかでも「ブルアカ開発者が送る新作」という扱いになっている。

まず、このプロジェクトは(自分が調べた限り)Dynamis Oneという会社のIPであり、NEXONとかYostarとは何の関係も示されていない。
なので、プロジェクトKVでブルアカとのつながりやブルアカの背景設定が示されるということは極めて考えづらい。

〇 とはいえ似すぎている
キャラクターの頭上に浮かぶ光輪(ヘイロー)
空にうっすらと引かれる線(円?)
刀(銃火器)を携帯する少女たち
数百の寮(学園)が集まる学寮都市(学園都市)という舞台
主人公(ユーザー)と思われる人物の手にポータブルゲーム機(タブレット端末)
主人公(ユーザー)の立ち位置がおそらく師(先生)
(追記:似てる点ではないけどイメージカラーが赤(青)、季節が秋(春)というのは連想させる対比と言えるかもしれない)

それぞれ一つ一つの要素ならまああるとは思うけれど、全て合わさった上で、制作陣がブルアカの元スタッフとなると、どうしても「ブルアカの意図的な焼き直し」という印象が拭えない。
率直に言って、ブルアカの人気にフリーライドする企画というふうに見える。ブルアカのストーリーの中枢にいたisakusanが移っているので、「これが本物のブルアカです」と言われても即座に否定はできない。

〇 何かをにおわせるような文言が目につく
「プロジェクトKV」
→プロジェクトカピラヴァストゥだと思うのだけど、あまりにもキヴォトスを連想しやすい。これのおかげでプロジェクトキヴォトスでブルアカの関連作だと思い込んでる人が多い。
「僕らがもう知っている慣れ親しんだ物語」
「子供たちはついに辿り着くべき場所へ」
→プロジェクトKV以前に子供たちにまつわる慣れ親しんだ物語があった?その辿り着くべき場所がプロジェクトKV?
「その「光輪」はお主の無知であり、お主の迷いであること。そして、その全てを悟り、砕き、突き進められる、お主の可能性であることを。」
→光輪について、砕くべきものとして述べている(比喩だろうと思う)。ブルアカでは砕くと死ぬ。
サークル名「黒ネズミたちのパトス的弁証法」
→黒ネズミには「主家の金品をごまかしたり、主家に害を与えたりする雇い人。」という意味がある。NEXONとの関係について穿った見方をすることもできなくはない。
→パトス的弁証法はわからん。

まあ、黒ネズミは置いておくとしても、どうも僕らがもう知っている〜あたりからは「あなたたちもよくご存知の!」と言いたげな雰囲気が漂っており、そこに「あなたたちもよくご存知の!ブルーアーカイブの!精神的続編です!」みたいに続いたとしても、これもまた即座に否定しがたい。

まあまあ、仮にプロジェクトKVが、ブルアカの主要スタッフを引っこ抜いて、それでブルアカの和風焼き直しIPを作って、ブルアカの人気にフリーライドしようとしていても、それは直ちに問題になるかというとそうではない。できることは全部するのが当たり前だ。
聞くところによると韓国では不義理とか色々言われて炎上しているらしいが、まあそれもしかたのないことだろう。元ブルアカスタッフということを利用しているのだから、ブルアカNEXONに対する仁義はどうなんだと言われることもあるだろうし、むしろそのような炎上を込みでマーケティングしているのではないか。つまりは炎上商法というやつだ。知名度アップこそ最大の課題、ブルアカを利用した炎上商法で広く知られてしまえばこちらのものだ。まあ、あるいは本当に意図してなかったのかもしれないが。
ちなみに韓国で騒がれているという醜聞に関しては考慮しない。ソースらしいソースにたどりつけなかったので。ハングル読めないし。まあ、醜聞があろうとなかろうと、プロジェクトKVにブルアカの(元)主要スタッフが主要ポジションで参加しているという事実だけで十分だろう。((元)と括弧付きにしたのは、ブルアカから離れたのがisakusanしか確認できなかったから)

ここまで読んで雰囲気でわかると思うのだけど、個人的にはあまり良い目で見てはいない。仁義がどうとかは知らないが、ブルアカを抜けて作るのがブルアカの焼き直しにしか見えないというのが、どうも印象が悪い。せめて光輪くらいなしにできなかったのか。コンテンツの根幹から、ブルアカの人気に徹底的にフリーライドしようとしているという印象が拭えない。
ブルーアーカイブというのは個人の所有物ではなくNEXONという会社のIPであって、別会社なのにあまりにも設定からスタッフまでそれに寄せるというのは、結構NEXONに対して含むところがあったという印象を受ける。なにしろブルーアーカイブは現在進行形で運営中のゲームだから、当てこすりと受け取れなくもない。別にNEXONの肩を持ちたいわけでもないのだけど、仮にNEXON及びブルーアーカイブに対して敵対意識があった場合、例えばisakusanの円満退社を心から祝福した気持ち、ひいては彼らの作ったブルーアーカイブというゲームを心から楽しんだ気持ちのやり場はどこに行くのだろう、という気にもなるのだった。
そのあたりで、醜聞というわかりやすい解答に飛びついて気持ちを収める人がいるのだろうと思う。結果怒りが燃え上がるとしても。
そんなに悪し様にとらえなくとも、あるいはisakusanの引き出しがそれしかなかったのかもしれないし、どういう理屈でそうなるかは分からないがNEXONとは円満な関係の中で制作しているのかもしれない。

考え方は色々だけれど、どちらかと言うと個人的には、「で、ここまでやってブルーアーカイブはどうなるの?」という不安の方が強い。
isakusan以外のスタッフは引き抜かれたの?それともまだブルアカの仕事はするの?仮に引き抜かれたとしたら他にどれくらいの規模で引き抜かれたの?それでブルアカはやっていけるの?
とまあ、プロジェクトKVの印象がどうというよりは、ブルアカに対する心配の方が大きい。

プロジェクトKV自体については、今のところ特に楽しみな情報はない。というか何もわからん。
先日ブルアカのシナリオについてぐちぐち書いた時も触れたのだけど、isakusanのシナリオが特に優れていると感じてはいなかったので、ブルアカからisakusanが抜けたところで(設定面の引き継ぎはともかく)さして不安はなかったし、同じ理由でプロジェクトKVのシナリオについて特に期待できるところはない。isakusanのシナリオはけっこう読む側の譲歩が要る。
なんなら、刀で戦う世界観ということで、余計に世界観への譲歩が必要になる気さえする。銃火器はギャグ漫画の文脈で受け入れられたが、刀で斬るのはちょっと話が違う気がする。
ティーザーPVの感じだと、ちょっと音楽も好みとは違うかもしれない。
絵がいいのは言ってしまえばどのソシャゲも同じではあるし、プロジェクトKVは特にピンときたわけではない。ただ個人的には糸此上かおるのビジュアルが良いなと思った。多分Mx2Jだろうと思う。最近ブルアカでは書き込みが少なくパキッとした画風だったが、ブルアカでは省エネだったのかもしれない。違ってたらごめん。
そういえばブルアカでは極めて上質なローカライズが重要だったけれど、そんなアテはあるのだろうか。

韓国で炎上しているというのは懸念点だ。日本向けに作られて日本人が遊ぶゲームだからといっても、結局韓国のゲームであることに変わりはないので。

まあそんなもんにょりした感想を持ったので、取り留めもなく書き留めてみた。

実際お前は遊ぶのか、と言われたら、うーん。
ブルアカは日課が軽めでいざとなればログイン勢になっても続けられるから続いてるところがあるので、その辺がよほど緩くないと、娯楽の選択肢には入ってこない……というか入ってもすぐ抜けてしまうと思う。そもそもソシャゲを増やしたくない。
個人的には、プロジェクトKVはソシャゲでなければいいのになと思うのだけど、どうやらソシャゲなのは確定らしい。うーん。
まあ、なんにしろ何年か先の話だろうと思うので、当面は様子見ということで。