かがみの孤城、2023/1/21(土)立川シネマシティでのティーチイン上映を見た。
登壇者は原恵一監督と新垣弘隆プロデューサー。
以下聞きながらメモしたものを書く。自分の解釈や要約・書き換え、聞き逃し・失念が多分に含まれるので、正確なものは他の方のレポか何かあればそちらを参照してほしい。
あと要修正点とか追加とかあったらTwitterとかでご指摘ご連絡お願いします。
テキスト要約にするとどうしても冷たい印象になるけれど、冗談交じりの和やかな雰囲気だったことは書き添えておきたい。あと、質問は挙手制だった。
なお、1/22、1/27にも第2、第3回と新宿ピカデリーにてティーチイン上映があるが、少なくとも第2回は自分は行けない(というかこれアップしてる間にやってる)ので、誰か他の人レポ頼む。音楽回聞きたかった……。
何にしろ、まとまったレポあったらリンク追記します。
第1回レポ(らぷちゃ氏):https://fusetter.com/tw/7L3ZwrYU#all
第1回レポ(原恵一監督を応援するブログ):https://harakeiichi-fan.seesaa.net/article/497313768.html
第2回レポ(らぷちゃ氏):https://fusetter.com/tw/ydPUclVH#all
第2回レポ(原恵一監督を応援するブログ):https://harakeiichi-fan.seesaa.net/article/497369573.html
あ、当然以下ネタバレありです。
原:今作がクレヨンしんちゃんアッパレ戦国大合戦以来のベストテン入り、ショービズは難しい
新垣:SNS等の感想は必ず(だいたい)見ている。ファンの熱量がある
原:原作は子供たちの現実での出来事があったが、尺の都合でこころ中心に
新垣:尺の問題はお金や上映回数に関わる
原:2時間にしろというのは無茶
新垣:116分にまとめてこられた。4分くらい足しても良かったのに
・質疑応答
Q.すずめの戸締りとラストの描写(鍵)が似ている
新垣:
5年前から動いてたのでこっちが先では
Q.原恵一監督は作品ごとにスタジオが異なる
原:
フリーになったとはいえ同じスタジオで続けるのが理想だが、事情もありスタジオが変わっている
今回も当初別のスタジオで進んでいたがA1に
流浪の監督だと自嘲している
作りたいものを作れてる人はいない
この作品を作れてよかった
Q.オトナ帝国にしんちゃんが階段を駆け上がるクライマックスシーンがあるが、今作でも階段を駆け上がるシーンがある。オトナ帝国を意識されたか
原:
特に意識してない
あの階段シーンはこの映画のクライマックス、原作には描写なし
合わせ鏡描写も原作にはなし、ないから作れるなと思った
こころが真田を消して欲しいという黒い願いより仲間を助けるため走っていく姿が絵的に力がある
カメラが回り込むのを手作業で井上俊之さんが手がけた
Q.子供たちのデリケートな部分を描くにあたり表現で決めていたことは
原:
残酷な運命や仕打ちがある作品だが、なるべく逃げずに表現しようと思った
アキが義父から襲われそうになるシーンも、何か言われそうなものだが、今回のチームは誰も言わなかった
何か言われないために顔にノイズ(シネカリグラフ)をデジタルで乗せた
アキの中で義父は顔なし、ノイズ。この描写でよりそういう表現ができた
真田のいじめもなるべく逃げずに描けたと思う
Q.こころがアキに向かっていくシーンで赤を選ばれた理由は
原:
よくぞ聞いてくれた
扉の外は大時計の歯車が回っている緑、黒緑の世界
そこから部屋に入った時に一番違和感、違う空間だと表すために補色の赤を選んだ
キューブリックの2001年宇宙の旅にてHALコンピュータの赤い照明の部屋に入るのも再現したかった
か弱い彼女が真っ赤な部屋に入るのは怖いと思う、それでも行くという演出
Q.もう一回見に行くとしたら見てほしいポイントは
原:
色々ある。仕掛けたけど気づいて貰えないこととか
荒垣:
自分が原監督に質問したことで、リオンとオオカミ様が別れるシーンの後の病室
回想のように見えて時系列でミオにとって直後のシーンだとわかってから1番の泣き所になった
原:
マスクをとったオオカミ様がリオンに言う「善処する」の声がミオの声に戻るのはアフレコ前に思いついて変えた。大正解だった
荒垣:
アフレコ現場でもグッときた
原:
矢島晶子がしんちゃんの真似をしているのに気づいた人はいるか(観客パラパラと手が上がる
アフレコ当日に矢島さんに伝えた
アフレコに費やす時間は短いのでできるだけのことをやろうとする
矢島さんも(真似していいのか)心配したので、じゃあ下手な感じでやろうと
子役の子がぞうさんと遊びで言ってその後に女の子が~と言ってたりする(筆者注:ここは聞き取り漏れ)
Q.こころに似た立場で見た人はどれだけいるのか(観客に向けても質問。けっこういた)
原:
自身はそういう経験ないが、仕事をしているとそういう人は意外とけっこういる。
みんなちゃんと社会人してるので絶望しないで。
Q.監督の作品は弱いものの立場にたっている(自分も職場で嫌なことにあった)、効果音と鏡の描写、鏡というモチーフの描き方が自分の考え方とピッタリだったが、監督が音響の方に指示されたのか。あと4分の尺があったらなにをするか
原:
効果音の方とは前もって打ち合わせし、こちらの希望を伝える。鏡の音は重要なので、鏡の向こうに行ける時にガラス質の音が欲しいと注文。
効果音の演出は気づいて貰えないことが多いが、今回上手くいったと思うのは、こころが鍵を開けるシーンで歯車の音を消してもらった。カチリという音を印象的に響かせた。特別な鍵ということを演出したくて。
今回は脚本と絵コンテ段階でかなり尺を落としていたので、シーン丸ごと無くなったということはない。
(筆者注:アフレコ台本を見ながら過去のバージョンのカッティングと尺について説明。)
過去のバージョンでは最終的に115分だった。
最後の最後で丸尾さん(脚本)のアイデアでエンドロールにリオンのその後を見守るミオを入れた。ツシマさん(筆者注:聞き取り違い?辻村さん?)も優里さんもオーケーをもらえた。
エンドロールのあれは見ない人が多い。それもあって?スタッフクレジットと一緒ではなくカットで入れていくことにした。
(質疑応答終わり)
原:最後にひとつ
高山みなみのコナンくんはアフレコの前に思いついたこと。
アフレコ台本に赤文字で真実はいつもひとつと修正してある。
本来のセリフは
「パラレルワールド説どうなの、合ってんの」(筆者注:続きがあったが失念)
オフなら変えられると思って変えた。
スバルが知らないのは一応時代差の伏線にした。(高山さんを説得する材料)
原:
明日新宿ピカデリーも富貴晴美(音楽)とやる。音楽表あり(筆者注:実物見せながら)。
はじまりのみちの台本(薄い)、河童のクゥと夏休みのアフレコ台本(3時間分)がある(筆者注:実物見せながら)。
アニメのアフレコ台本は絵コンテを元にやるのでカットごと。
ティーチイン終了