備忘録も兼ねてランキングにして簡単な所感を書いてみる。基本はネタバレなし(スパイダーマンNWHだけネタバレあり)。
ランキングといっても個人的な好みランキングなので、変なところは大目に見て欲しい。
あと、過去に詳しく感想を書いたものも多いのだけど、考え方が変わってるところがあるかもしれない。
前置きはここまでにして、まずは何をいつ劇場で観たか。

1月
スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム
2月
大怪獣のあとしまつ
ゴーストバスターズ アフターライフ
3月
THE BATMAN
4月
モービウス
5月
ドクターストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス
シン・ウルトラマン
7月
ソー ラブ&サンダー
8月
ONEPIECE FILM RED
9月
NOPE
破戒(2022)
10月
トップガン マーヴェリック
11月
ブラックパンサー ワカンダフォーエバー
12月
ブラックアダム
アバター ウェイ・オブ・ウォーター
すずめの戸締まり
THE FIRST SLAM DUNK
1月
かがみの孤城

こんな感じ。かがみの孤城は三が日で観たけどギリOKだろということで今回含める。
思ったより数を観ていないのと、気になりつつ心身の調子が悪く見逃した映画がけっこうある。
気になった映画は即見に行くというようにしたいのだけど。先着特典とかあるしね。
すずめの戸締まりは観に行くのが遅すぎて特典がもらえずしくじった。かがみの孤城はギリギリ間に合った。両方とも特典が大事なやつ。

以下ランキングと所感。
そんなに明確に差があるわけでもなく、ほとんどは同順位みたいな感じなのだけど、一応無理やり順位分けしてみた。

1位 NOPE
IMAXレーザーGTで2回鑑賞。
ジョーダン・ピール作品としてはかなり娯楽に振り切っている印象。終盤の手に汗握る謎の盛り上がりはシュールだけど最高。
絵作りとかスケール感も良くて、すごく「映画見てる感」があった。
テーマがメタ的視点も含んでいて、メタ要素好きマンには嬉しいところ。IMAX上映にも視覚効果だけでなくテーマ上の理由付けができていて良かった。特殊な上映方式にちゃんとメタ的な意味がある映画っていいよね。こちら側を侵食してくる感じがあって。

2位 ブラックアダム
ヒーロー映画では2022年ベストかなと思う。
キャラの掘り下げがしっかりしていて、かつキャラの背景や関係性を活かしたストーリー展開で、熱い展開を盛り込みつつ、その展開はどうなのと思うところがほとんどない。
アクションの盛り上げ方やユーモアの入れ方が上手くてまんまと乗せられる。
そしてドウェイン・ジョンソンという存在の圧倒的な説得力。
頭を空っぽにして観られるとはこういうことだと思う。
強いて言うならもう少しだけ若手の出番が欲しかったかも。

3位 かがみの孤城
入場特典のために2回観に行き、特典をコンプした。
クレしん以来に観る原恵一監督作品。
俺は二次元のかわいい女の子が好きなんだ。キャラデザいいですね。
ストーリーはすごく楽しめたし泣けるのだけど、劇伴のミスマッチに気を散らされた感じ。劇伴が奇妙なほど押し付けがましいシーンがしばしばあり、もったいない。
尺の都合だと思うのだけど、キャラの掘り下げ不足や、ストーリーの流れ的にもぎこちなかったり説明のないところがあり、重要な描写の省略がかなり多そうなので、後日、原作を読みたいと思う。むしろよくこの短さにまとめたと言うべきなのか。
あと、何回でも言うけど、入場特典の内容が重要すぎるのはやめてほしい。作中に入れてほしい。

4位 すずめの戸締まり
2回鑑賞。
俺は二次元のかわいい女の子が好きなんだ。それだけで評価を上げてしまうのごめんって感じなのだけど。田中将賀キャラデザは良き。
ストーリーは薄めというか軽いのだけど、その分雑さが許容できるし、さっぱり観られるライトな映画に仕上がってるんじゃないでしょうか。ノイズが大きくてキャラのかわいさを素直に楽しめないというよりは断然いい。
それに、映画の中で見知った風景が出てくるとテンションが上がる。美術に気合い入った映画なだけに。
若年層に(だけ)人気、みたいな事を言われてるのを見たけれど、自分は精神的成長がないからなのか普通に楽しめた。

5位 トップガン マーヴェリック
特筆すべきところは思いつかないけど減点要素もない。
特筆すべきところがないというのは、どの要素もハイレベルでよくまとまっていて満足感が高かったということだと思う。これも頭空っぽで見られる映画。
お気に入りはやっぱりI Ain’t Worriedが流れるシーン。
一応前作を予習して観に行ったのだけど、前作を超えているかは微妙。とはいえ36年振りの続編としては100点満点なんじゃないか。
ただ、みんなが言うほどは乗れなかった。個人的に戦闘機モノがそんなに好みではない気がする。あと、このキャラが好き!ってのがいなかったかな。ハングマンはいい役回りだったけど。

6位 ドクターストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス
マンネリ感あふれるMCUをサム・ライミ節で一瞬打破した怪作。ホラー、ゾンビ、魔術、ゾンビ。
テンポがよく、見世物的な楽しさに振った感じ。伏線回収も爽快感がある。
もう少し単独作としてまとまりがあればなお良かったけれど、MCUのノルマだし仕方ないか。そのノルマも嘲笑うかのように雑に処理してみせたのが、個人的には痛快で気持ちよかった。サム・ライミ監督ともなるとMCUであってもそんな芸当できるんですね。

7位 モービウス
評判悪いけどキャラの設定・関係性がとにかくいいのでハマる人はハマる。自分はハマった側。
個人的にはあまり減点要素はないのだけど、良くも悪くもこじんまりとした映画なので大作ヒーロー映画の中では盛り上がりには欠けるかな。
飛行時のエフェクトとか、VFXも見ていて楽しい映画だった。ただ難点としては、かなり画面が暗かった。

8位 破戒(2022)
誘われて観たのだけど、身分を偽って暮らす被差別層の日常の疎外感・緊張感がよく出ていて、予想外に良かった。間宮祥太朗の演技力も大きいと思う。
原作はよく知らないけれど、あらすじを読んだ感じ、映像化としてはかなり良い出来なんじゃないか。
反面、原作の問題点も引き継いでいると思う。まあ問題視するかどうかはまた価値観の問題かもしれない。個人的には、作劇としては許容できる範疇なんじゃないかと思う。あくまでも一個人の物語として。
なんか違和感があるオチだったけど、原作もほぼ同じだったのでしかたない。

9位 アバター ウェイ・オブ・ウォーター
ドルビーシネマ3Dで鑑賞。映像一点突破。
話が嫌とか長すぎるとか減点要素はめちゃくちゃあるんだけど、映像体験の斬新さだけで満足度が高い。擬似的なVRと言ってもいい没入感。ドルビーシネマのHFR3Dで見よう、な!
映像体験だけなら2回目見に行く気にもなりそうなところだけど、さすがに内容・時間的に耐えられる気がしません。
ぜひ色んな人に見てほしいけれど、全力発揮できる映画館が少ないのも難点。

10位 THE FIRST SLAM DUNK
映像新体験、微妙な内容という意味ではアバター2に似てる。
井上先生の絵がまんま完璧な作画で、実際のバスケットボール試合のように動いてみせる。漫画ではわからなかった、普通のアニメでもわからない細かな動きのニュアンスが伝わってくる。実際の試合は俯瞰だけどこの映画では選手視点でも見られるのもポイントの一つ。これは是非一度見てほしい。
ただ、「リアル」っぽい追加エピソードが微妙なのと、それがせっかくの試合をブツ切りにしているのが惜しい。試合を通しで見たかった。試合だけなら2回目見に行ったと思う。その試合も原作からの改変が損ねている面はある。
総じて原作からの追加・改変が面白くなくて、「公式が解釈違い」という感覚を抱く人がいてもしかたないと思う。

11位 THE BATMAN
暗い画面の映画なのでドルビーシネマで鑑賞。
ダークな雰囲気は良いけど狂気は薄め。真面目で若いイケメンバットマンの探偵モノと考えれば。怒ってるシーンとか、なんか相棒の右京さんが「何をしたんですかああーっ!」って怒ってるシーンを連想した。
なんかリドラー以外こじんまりしてるような気がして、とくにキャットウーマン周りの話に乗りきれず、飛び抜けて好きなところもないのだけど、3時間ある割には定期的に盛り上げてくれて飽きずに見られたのでそこはよかった。
ただ、予告編に負けてるよなあとちょっと思う。

12位 スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム
予告を見れば推測できるとおり、プリキュアオールスターズのスパイダーマン版。さすがにこの映画はネタバレ抜きで語れない。
オールスターズの盛り上がりはたしかにあるんだけれど、話の雑さもオールスターズ並感。
まあ、オールスターズはそれだけでも満足です。また彼らを見せてくれてありがとう。
ただ、(今はどうか知らないけど、自分が見ていた頃の)プリキュアは春のオールスターズ映画より秋の単独映画の方が質が高いんだよね。脚本の対象年齢も春低め秋高めでちょっと違う。
だいたいそんな感じ。プリキュアの例え話しかしてないな。

13位 ゴーストバスターズ アフターライフ
ゴーストバスターズかと言われるとあまりそうでもない感じがあるけれど、そこに良さがあるような気がする。
キッズものというか。少女フィービーの冒険ものと言うのがいいのかなと。
初代ゴーストバスターズをかなり意識した展開や演出が後半頻出するのだけど、とにかく往年のファンサービスに振りきった後半という感じで、フィービーがささやかな?冒険をする前半の方が個人的には居心地がいい気がする。もちろん後半も好き。
「あの」ゴーストバスターズかと言われるとそうでもないと思うけど。

14位 ONEPIECE FILM RED
Adoの歌と、ウタがかわいいのが個人的に全て。
歌唱シーンは圧巻だけれど、ワンピース見に来たはずなのに何見てんだろう、龍とそばかすの姫かな、という感じが拭えない。まあ楽しいっちゃ楽しいけども。
そしてワンピース部分は鑑賞前の期待を下回る。ストーリー的に気になる要素の大半で肩すかしをくらい、やっぱりこういうアニメ映画って後腐れを残さないようにするのが優先されていて冒険できないのかなという感じ。オチは特にそういった都合を感じて残念。
ワンピースのアニメがこの作画で見られるというのはたしかに価値があるのだけど、そもそもワンピースの原作はともかくアニメにはあまり関心がないのだった。原作要素をほのめかすから観に行くんだけどね……。

15位 ソー ラブ&サンダー
楽しかったし、ゴアは良いキャラだったし子供たちの扱いも良かったのだけど、なんか、パッとしなかった印象。
ロキの存在は大きかった。これまでのソーシリーズって兄弟モノだったんだなあと思う。ていうかソーの仲間、死にすぎ。かわいそ……。
キャラの関係性がグッと浅くなったのをジェーンではカバーしきれなかった感。積み重ねは大事。
あとは作風が明るいとか通り越して軽薄になった印象。真面目な映画ではないけどコメディにも振り切れない半端さが気になる。DCをバカにできない程度にはMCUも暗いので、この軽さで整合性取れてるのか疑問がある。

16位 ブラックパンサー ワカンダフォーエバー
こっちは暗いMCU。
ネイモアのキャラやアクションが良かったけれど、その他はなんじゃこれと思った。暗いのにバカバカしい変な映画。とにかくストーリーが変。
アフリカンのアイデンティティを持って作られてるはずなんだけど、ワカンダの描き方が未開部族なんだよな。アバターのナヴィみたい。今回はタロカンもそう。
そこにアイデンティティがあるなら言うことはないんだけど、未開部族のまま国家として外交や戦争してるから、見ていてワカンダの変なところが目立ってしまう。
ワカンダフォーエバーの合言葉もかなりしょうもない使い方されてて、こんなんでいいのかと見ながら内心突っ込んでしまった。
オチもいい話風にしてるけどそれはあんまりじゃなかろうかというのが素直な感想。
でも腐ってもMCUだから見栄えは整っているし、ちゃんと楽しめはした。

17位 大怪獣のあとしまつ
早めにナンセンスコメディにギアを変えて観たのでそこまで悪くもなかったんだけれど、一部ギャグが激烈に寒いのがとにかくキツかった。
鑑賞時は寒めのメタ・ナンセンスコメディ映画〜可哀想なアラタくんを添えて〜みたいな印象だったのが、シン・ウルトラマンを観た後で、対比して解像度が高まったので、評価が上がった。アプローチの仕方としては独自性があって面白い。
制作の自己満足に終わってね?というのは、それはそう。
金がかかっていたのか、ビジュアルは悪くないし、キャスティングもハマってはいる。
まあ、はなから決めつけずに観れば、言われてるほど悪い映画ではない。ただ、どのみち真面目な映画ではない。

18位 シン・ウルトラマン
これも早めに「大きな子供向け特撮」へギアを変えて観たので楽しめなかったわけではないのだけど、寒めの自己満足映画、チープな実写化失敗邦画に近い印象。コメディかと思う腰砕けの展開とコミカルな描写。長澤まさみ関連のシーンは言わずもがな苦痛。
そういう意味ではあとしまつとだいたい同レベルなんだけど、あとしまつより上にできない一番の理由は、全体的にビジュアルがチープなため。美術面やスケール感、カメラワークが明らかにあとしまつに劣っていた。金がなかったのか、怪獣に全ぶっ込みしたのか。
全体的に演技も微妙で、山本耕史だけはキャラにバッチリハマっていたけれど、口癖がしつこすぎたのが残念。役者の演技については、求められた演技がこうだったんだろう。
米津玄師の主題歌が一番いい。

ということでこんなランキングになった。
冒頭でほとんど同順位みたいなもの、と書いたのだけど、おおむね1~15位と16~18位で分かれている感じ。ちょっと下三つは観た後の満足度が低かったかな。楽しめなかったわけではないのだけど。
2023年はどんな映画に出会うかしら。あまり積極的に情報収集するたちではないので、オススメのがあればTwitterなりで教えてくれると助かります。
とりあえずアントマン3は予告見たところ面白そうだなあと思う。まあMCUなんで面白くなさそうでも惰性で見ますけど……。