4月以降いろいろ映画を観たのだけど、感想を書く暇がなく5月も半ばまで来てしまった。
一応観た作品は全て備忘録がてら感想を書いておきたいと思うので、かなり手短にはなるけれど、感想を書いていこうと思う。
Twitterで書いた内容の転載もあり。
以下作品のネタバレを含むので、注意。

4月2日に鑑賞。
ニコラス・ケイジが本人役で主演するということで、いわゆる俳優自虐映画の流れである。その男ヴァン・ダムのニコラス・ケイジ版といったところか。あと、マイケル・キートンのバードマンは本人役ではないけれどかなり本人のパーソナリティを反映した上で自虐的ではある。

映画としては結構面白かった。落ち目の俳優(落ちぶれてないが)が仕事も私生活も上手くいかない中で事件に巻き込まれるというのはベタだけども、コメディ色を強くして明るいエンタメに振っているのが今作の特徴だろう。クスクス笑いが頻繁に起こる劇場だった。ニコラス・ケイジの過去作への言及も頻繁にある。
ただしコメディに振る反面で出来事はけっこう深刻だったりするので、どういう気分で見ていいのか少し困るところはある。それはラストまでそんな感じ。
ハビとの軽いバディもののような雰囲気があり、二人の関係性がどうなっていくのが今作の見所のひとつ。

今作の特徴はニコラス・ケイジの中のニックの存在と、ハビとの間で繰り広げられる即興劇だろう。いずれもニコラスの内面世界の表出というところで共通項があり、今作が架空のニコラス・ケイジ像を掘り下げることに焦点を当てていると感じる。
そのためか話の展開としてはところどころかなり無理矢理なところがあり、それが果たして脚本の瑕疵なのか、ニコラスとハビの内面が現実を侵食しているかのような錯覚を与える狙いなのか、がわからない。実際にハビとの即興劇の中で少し奇妙な出来事も起こるし(これはたぶんLSDのせいだろうけど)、ラストの展開でなおのことわからなくなる。
一応本作のあらすじとしては、起こった出来事をベースにハビと共同制作した映画が当たるという結末なのだろうけど、あたかもすべてが映画の中の出来事で虚構だったという描写のようにも見えなくもない。

基本的にはハビが得体のしれない悪のまま親交を深めていく前半部分が楽しく、ルーカスが本性を現した後半は普通のアクション映画という印象になってしまった。それはそれで楽しいのだけど。ニコラス・ケイジ過去作ネタでついていけるものがあまりなかったのもちょっと痛かったか。
ただ、ニコラス・ケイジは見ているだけで面白かったし、ハビ役のペドロ・パスカルもチャーミングでいい演技をしていたと思う。

なんだかやたらにパディントン2を推していたのは本人ネタかなにかなんだろうか。
いったいどんな映画なんだパディントン2…。