4月以降いろいろ映画を観たのだけど、感想を書く暇がなく5月も半ばまで来てしまった。
一応観た作品は全て備忘録がてら感想を書いておきたいと思うので、かなり手短にはなるけれど、感想を書いていこうと思う。
Twitterで書いた内容の転載もあり。
以下作品のネタバレを含むので、注意。

4月2日に鑑賞。
有名TRPGの実写化ということで、世界観はこてこてのファンタジー。予告を見るとけっこう軽いノリ。
となれば事前の印象は、ちょっと微妙めなファンタジー描写でのコメディ調アクションといった感じで、さほど期待できず観る気もなかったのだけど、上映開始後やたらTwitterで面白い質が高いと持ち上げられるムーブメントが目に付くようになり、ちょっと興味がわいていた。
マッシブ・タレントの後時間が空いていたので、その場でチケットを買い立て続けに観ることに。

いざ見てみると、たしかにかなり本格的に作られており、明るいロード・オブ・ザ・リングと言った印象。
原作由来なのか、作り込まれた世界観がしっかり説得力を持ってビジュアル化され、物語においても(ちょっと専門用語が多いけれど)重厚さを与える役割をきちんと果たしていた。明るいキャラクターとユーモラスな描写の反面、世界観はけっこうハード。
例えばデブドラゴンのシーンなんか、かなりの危機なのだけどデブドラゴンのかわいらしさもあってどこかコミックチックな描写になり、その辺の微妙な緊張感のなさが今作の良さなんだろうと思う。だらけた感じにならずスペクタクルに興奮できるけれど深刻になりすぎない、絶妙な塩梅。
キャラクターとしてはサイモンがなんとなくポップっぽくて印象強かった。
ラストの展開ではエドガン、ホルガ、キーラの関係から擬似家族モノになりそうな(ホルガが母ポジにおさまる)ところを、あくまでもその手前、相棒というところに留めているように思う。この行き過ぎないバランス感覚。家族になり始めるとちょっと関係性がズレてくるのでこれでいいと思う。

ギャグは全体的にけっこうクスクス笑うことができた。
ただ、死者への質問という予告で散々こすられた笑いどころはさすがに笑えず、もったいなかった。
もったいなかったと言えば、けっこうキツイびっくり演出が数回あり、子供に見せづらいなと思った。
あと、個人的にクリス・パインは好きな俳優なので、見ているだけで楽しかったところがある。

ただ、確かに質が高くて手の行き届いた良作だという印象はあるのだけど、Twitterで騒がれていたほど面白いかというとちょっと微妙。
面白いは面白いのだけど、職人技でひたすら丸く丸く作られた感じで、すごく楽しい瞬間といったものがなかった。そのため微妙に平坦な印象を受けてしまった。
かなり贅沢な話だとは思うけれども、事前の評判でよほどの傑作なのかとちょっとハードルが上がってしまっていたため、ちょっと肩透かし。適当に言うと、95点くらいかと思ったら80点だったといった具合。
インターネットのオタクはとにかく話を盛るし祭りとして騒げることを重要視するという習性がありこの作品もそのターゲットになったといったところだが、まあそのおかげで良作に出会えたというところもあり、そのせいで肩透かしになったというところもあり、物事の良し悪しは難しい。