以前、WAIS-IV知能検査を受けたことがある。

いつのことだったか忘れたけれど、2023年ではなかったことは確かだ。かといってそれほど昔でもなく、2020年よりは後だったように思う。
今度、通院した際に聞いてみようと思う。その際にはここに追記する。聞くの忘れるかも。

さっそく結果を書いてしまおう。

フルIQ(合計得点):123
言語理解:119
知覚推理:118
ワーキングメモリ:144
処理速度:93

フルIQというのがなぜ四つの項目の平均点(118.5)ではないのかがよくわからないが、一応こういう風に伝えられた。100が一般的な平均ということらしい。
単純に前知識なしに数値だけ見た感想としては、平均からプラマイ20以内程度に収まっており、これだけ見るとおおむね人並み程度で悪くないんじゃないかという印象がある。ワーキングメモリ以外。
実施してくれた臨床心理士の人にはこの結果に「希望を感じました」とまで言われたのだけど、それはワーキングメモリの点数からか、おおむね人並み程度だったからなのかはわからない。
ワーキングメモリがなんでこんな高いのかよく分からないところがある。後述するが、自己認識ではそんなに得意な分野だと思えない。

結果が何を示すのかとかの情報は伝えられなかった(細かい結果は言ってはいけないことになっているらしい)ので、個人的には本当にただ受けて点数が出ただけで終わったのだけど、医師の方からすれば何か具体的な細かい分析が有用だったのかもしれない。

勝手に患者の方でこの数値を解釈するのも治療上どうかと思うのだけど、まあお遊びということで今更ながら考えてみようと思う。
以下サイトから項目を引用して考える。
大阪メンタルクリニック
WAIS-IV・WISC-IV知能検査とは?
https://osakamental.com/symptoms/welfare-service/wais-ivwisc-iv.html

>①発達障害の傾向、可能性が分かる
>②得意なこと・苦手なことが分かる
>③生活におけるヒントが分かる

発達障害については、そもそもこの検査を受けたのが、あなたの困り事はADHD由来かもねという医師の提案からである。
この検査だけで発達障害かどうかを判断することはできないし、何をどう見ればいいのかも自分にはわからないため、その点については判断できない(してはいけない)のだと思う。
ネット上ではそれぞれの数値の差が大きいと発達障害だとか生きづらいとか言われているけれど、俗説のようなものだろう。一応自分の場合最大で差が51あるけれど。
発達障害傾向については検査以降何も医師から言われていないので、考えないこととする。

得意なこと、苦手なことについては、まあ見ればわかるとおりワーキングメモリが異様に高いので、まずそこを見よう。
おおむね、聴覚に基づく短期記憶とその情報処理が得意、という感じにどこでも書かれていると思う。しかし個人的には全く得意だとは思っていない。指示を一度聞いて聞き漏らしたり理解できなくて何回か聞くこともたまにある。
それに比べて周囲の人々はことごとく一回で全ての指示を理解し記憶していてすごいと思う。自分の目から見る限りそうとしか見えない。

ただ、8ケタ程度の数字の羅列をごくわずかな時間覚えておく程度なら、得意とまではいかずともできないことはない。直前に電話番号を覚えておけば、見ながらでなくとも電話番号を打てる、くらいだ。声に出さずに繰り返し暗唱するからである。暗唱だと11ケタは厳しいので、局番は暗唱せず飲み込んでおく必要がある。なぜそんなことをするかと言うと、子供の頃は遊びでやっていたのだけど、今の職場では、自分だけ席と電話の配置的に、何かを見ながら番号を打つことができないという必然的な理由がある。
そういうことをしてると、よく覚えてられるねと言われることも稀にある。暗唱すれば誰でも出来ると思うのだけど、そうでもないのかもしれない。
しかもこれもしばしば失敗して忘れるので、8ケタはやはり厳しいかもしれない。

指示については、ワーキングメモリの問題というよりも、普通に指示に対する理解力の問題かもしれない。
例えば、全く想定していない言葉をいきなり言われると、聞こえていてもなんと言われたのかよく分からず聞き返すということが誰でもあるのではないかと思う。コンテクストや必要な情報を共有していない状態で注意の外から何かを言われても、記憶とか処理とか以前の問題ということかもしれない。
他の人々はコンテクストを共有しているので、予想と違う言葉が来てもそれを即座に理解できるということかもしれないし、自分も普段の会話ではそうしている気がする。
まあつまりは、仕事における前提知識が足りていない、勉強不足、ということが言えるのかもしれない。

というかここまで書いてきて何なのだけど、指示をされて困ることと言うのは実際あまりない。
どちらかというと困り事としては、わからないことを指示されたうえで誰に聞いても説明が判然とせずやり方がわからない、という状況の方が頻発している気がする。おそらくこういう場合は聞き方が悪いのだと思うけれど、どう聞いたらいいのかもよくわからない。要するにコミュニケーションの問題である。

言語理解と知覚推理についてはまあおおむね平均くらいと考えて特に問題ない気がする。というか全体的に20くらい下げた方が実際に近いのではないか。ワーキングメモリもそうだが、別に平均より優れているとも感じない。
なので特に考えなくてもいいと思うのだけど、一応以下のような感じらしい。
言語理解はそのまま言語理解、推理力、思考力、コミュニケーションなどについての指標。知覚推理は視覚情報の把握、推理、身体的対応、新しい情報への対応力など。
まあ特にこれといって語ることもないか。上述したコミュニケーションの問題は、能力と言うよりどちらかと言うと自分の対人忌避傾向が問題の主体となっている気がする。

そして問題になってくるのが唯一平均を下回った処理速度である。自分は20下げた方が実際に近いんじゃないかと考えるとかなり低くなる。
処理速度は情報を処理するスピードや単純作業に関する指標だという。
検査するまでもなくと言ったらあれだけれど、普通にめちゃくちゃ苦手である。考え事の類だと普通の人が10分で終わるようなことに1時間〜1日以上かかることはざらにある。数日〜数週間で終わることなら1ヶ月〜数ヶ月かかると思ってもらっていい。
ただこれはいちいち着手が遅いとかそういうことも関わってくる。
苦手でやりたくないことは誰でもやりたくないので対応が遅れると思うけれども、自分の場合はそれにプラスして処理が終わっていないのでやりたくないということが多くなる。何をどうやればいいのか自分の中で全く結論が出ていないことについてとにかくやらざるを得ないというのはけっこうストレスになる。

単純作業もまあのんびりとしたもの。無理をすればスピードは出せるけれども正確性は劣る。
字を書くのも割と苦手な方で、周囲の人を見るとまあ書くのが速く丁寧なことだと思う。
なので指示を受けたり電話対応をしながらメモを取るなどということが苦手である。意味のあるメモを残すにはスピードが全く追いつかない。
大体は一旦耳で短期記憶的に記憶しておいて、場合によっては一見して全く内容のわからない雑なメモを書き、説明や電話が終わってからゆっくり正確なメモを取るという感じになる。なのであまりメモを取らない人間だと思われていると思う。実際短期記憶ではカバーしきれないことが多い。
そういう意味では、高いワーキングメモリで低い処理速度をカバーしている、みたいな話になるのか?

まあ実際この辺りが普通の人はどのくらいのスピードなのか、自分は脳内を覗いたり人の仕事や作業をつぶさに見るようなことができないので、個人的な想像になるのだけど、仕事ぶりなどをチラ見している限りは自分よりずっと速く見える。隣の芝生かもしれないが。
漠然と世界のスピードについていけないと感じることも多い。

具体的な数値の高さはともかくとして、少なくともこの検査で体感とも一致しているのは処理速度の低さである。
何をするにもここがボトルネックになっていると感じるので、(ここを向上させる……というのはちょっときつそうなので、)ここに合わせた生き方が必要になってくるのではないかと思うが、残念ながら今はそうではないように感じる。

まあそんな感じ。