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2023年も年間ランキングをつけてみようと思う。
2023年は上半期ランキングも作ったり、面白さ指標として感想に星評価を導入してみたりとしたのだけれど、年間ランキングの方はそれらを一切考慮せず、現在の考え方で一から作ってみる。
あと今回はコメントも少なめにするつもり。しんどいので。
ちなみに最下位以外はどの映画も楽しめたので、コメントが一見厳しくてもその点は留意してほしい。
というわけでまずは観た映画と時期一覧。

2月
アントマン&ワスプ クアントマニア
BTS: Yet To Come in Cinemas
3月
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
シン・仮面ライダー
シャザム!神々の怒り
5月
マッシブ・タレント
ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り
なのに、千輝くんが甘すぎる。
ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME:3
名探偵コナン 黒鉄の魚影
聖闘士星矢 The Beginning
6月
ザ・フラッシュ
怪物
リバー、流れないでよ
スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース
7月
君たちはどう生きるか
8月
バービー
9月
福田村事件
11月
ゴジラ-1.0
マーベルズ
鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
12月
ダンジョン飯 ~Delicious in Dungeon~
窓ぎわのトットちゃん

下半期はグッと映画を見る頻度が減った。これは上半期(というか5月)が調子良かったのだと思う。
上半期にBTSを入れたのもあり、ダンジョン飯も映画に換算した。

以下ランキング。ネタバレなし。

1位 ザ・フラッシュ
まあこれはもうね……。
マイケル・キートンのバットマンは反則だし、わざわざ引っ張り出してきて使い方が物足りないとかのよくあるパターンでなくめちゃくちゃ魅力的なのが良かった。ベンアフのバットマンも今作が一番良かったかも。
エズラ・ミラーのフラッシュも完璧だし、ストーリーもベタだけどめちゃくちゃ良くて、音楽も最高だし……好みも合わせてやっぱりこれが1番。

2位 スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース
これもね……。
話が今作で終わってるか終わってないかは置いといて、とにかく何もかも良いよね……。何もかもという他ない。
話的な面では、スポットのキャラとグウェンのストーリーが特にいい。
これに関してはもう四の五の言わずに見てくれ!と言わざるを得ない。あ、前作はもちろん見といてほしい。そっちも面白いから。そして今作は多分それをはるかに上回ってくるから。

3位 バービー
笑えるところはしっかり笑えて、しんみりするところはしんみりする、泣けるシーンもある、いい映画だった。
あとは、男女とか個人のアイデンティティのテーマについて「ここまではもう十分話したよね、次に行こう」という感じで線を引いた作品かなと思う。

4位 エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
よくわからない映画だったけれど、なんだかんだで2023年に泣いたのはバービーとこれくらいな気がする。フラッシュも泣いたか?
もう内容も随分忘れたのだけど、人生に対する虚無感と家族関係がテーマだったように思う。
鑑賞時は今より幾分メンタルの調子が良かったのだけど、調子が悪くなり虚無感にとらわれている今の自分には、当時より刺さる内容かもしれない。

5位 ゴジラ-1.0
とにかくゴジラでブチ上がったのでここ。意外とゴジラでブチ上がったことない。しかも結構長い時間盛り上がれた。
敷島のキャラ造形も良くて、敷島という個人に強く結びついたゴジラ像というのも新鮮で良かった。
ただ後半の展開を見ると、戦争・戦後をエモな題材として消費しているだけなのでは?結局戦争やりたいの?とか、ひっかかる点はある。そのあたり掘り下げるとこの映画は無自覚に、日本一般に浸透する素朴な無思想という名の愛国保守思想を脚本にしのばせてしまったのでは?とも思う。多分わざとではないと思うのだけど。
それを差っ引いても個人的にはシン・ゴジラ超え。初代にはどうだろう。見た直後は初代に並ぶかと思ったけれどやはり一段落ちるかもしれない。とにかく良かった。

6位 窓ぎわのトットちゃん
単なるアニメ映画としても戦前戦中もの?としても傑作だと思う。質が高すぎる。
正直ゴジラ-1.0より下にするのは色んな意味でどうなんだろうと思ったけれど、なんか個人的な好みでやや感情にハマらなかったのを否定できないのでここ。
親は3回くらい泣いたらしい。
自分は最近メンタルがやばいので鑑賞時に抑うつ気味で感受性落ちてたのかもしれない。

7位 君たちはどう生きるか
これもよくわからない作品ではあったけれど、宮崎駿作品の中では実は結構楽しめた方だったりする。展開自体はわりと素直なアドベンチャー映画というか。
アニメーション映画としてはやはり最高峰の一角だし、見応えがある。

8位 シャザム!神々の怒り
子供も楽しめる笑えるヒーロー映画としてレベルの高い合格点を出してくれた。前作よりもグレードアップして視覚効果も豪華。
ビリーのドラマについては少し掘り下げ不足だったかな?と思った。

9位 リバー、流れないでよ
アイデアの勝利といった感じでめちゃくちゃユニークな映画になったと思う。短時間ループという舞台では難しいギミックを使って、一つの旅館を使った舞台劇をやり通したという印象。
ワンカット撮影って舞台劇的な側面もあるのかと気付きも貰えた作品で、バードマンも想起させられた(あれは舞台劇題材でワンカット撮影をしていた)。
愉快なだけでなくループに蝕まれる狂気もスパイスとしてGood。

10位 名探偵コナン 黒鉄の魚影
反則技の一点突破。ウワーッやりやがったこいつ!という感じ。
その他もファンサービス満載なのがちょっと面白い。最近のコナン映画ってこうなの?

11位 怪物
めちゃくちゃ見応えのある邦画。
そしてネタバレ要素が多すぎてコメントを書くのに困る。
ミステリー的な楽しみ方もできてそのあたりが好み。
ただちょっとしんどいからもう観たくはないかな〜……。

12位 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
犬神家的な怪奇ストーリーに妖怪を混ぜて、戦争や権力者のどうしようもなさを根本に据えた構成がとってもよくできていた。
ただ、個人的にはアクション要素がやや浮いて見えてしまった。とても気合いが入った作画ですごいのだけど、ない方がまとまっていたのではないかと思わなくもない。
あと終盤のコミカルな描写は観ててかなり気持ちが冷めてしまった。人物の醜悪さを描く上で悪いとは言わないけど自分にとっては限度を少し超えたコミカルさがあった。
しかし水木のキャラクターがとても良い。好きだ。

13位 ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー
楽しい映画だった。
このあたりの順位になってくると楽しかった以外にあまり言うことがない。
実写マリオの雰囲気もあったのが嬉しかった。

14位 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME:3
MCU最後の希望と思って観たら、めちゃくちゃ良いという程でもないものの期待通りの良作でほっとした。
キャラクターの扱いにも不安があったものの丁寧な取り扱いで安心。
ストーリー自体は小動物の可愛さで盛られてる気もした。
なおその後にロキseason2という良作も出たのでMCUの作品パワーはまだまだ健在と安心した。

15位 ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り
明るいロード・オブ・ザ・リングと言った感じで、妥協のないクオリティのファンタジー映画。キャラも立っていて良かった。
予告編で笑いどころを見すぎてしまっていたのと、ちょっときついジャンプスケアがあったのが惜しかった。

16位 マッシブ・タレント
ニコラス・ケイジを観てるだけで楽しいところはあるけれどもちろんそれだけじゃない映画。
そういえばまだパディントン2を見てないな。

17位 アントマン&ワスプ クアントマニア
普通のMCU映画といった感じで普通に楽しめた。
途中、量子論の何がしかをビジュアル化したようなシーンがあるのだけれど、それがドラマ的にもかなり秀逸で良かった。

18位 マーベルズ
かなり軽めのMCU映画。
見ていて引っかかるところが結構あったのだけど、とりあえず体裁は整っているからいいかという気持ちにさせられる。

19位 聖闘士星矢 The Beginning
無難に楽しめるアクション映画。
肉弾戦はかなりクオリティが高くて見応えがあるものの、ドラゴンボール的超常バトルはやはり実写とは食い合わせが悪いのでは……と思わざるを得なかった。

20位 なのに、千輝くんが甘すぎる。
女性の性愛欲がにおいたつすごい映画だった。まあ女性向けラブコメ実写映画ってとれもこういうものなのかもしれないけど……。
女性でなくても終始なにやらニヤけながら観てしまうだろうと思う。(恥ずかしくて観れないかも)

21位 ダンジョン飯 ~Delicious in Dungeon~
TVアニメの冒頭3話を再構成して先行上映。
漫画の最初の方は既読なのですんなり入り込めたのだけど、アニメのテンポで見ると特殊な世界観の説明が足りず、冒頭なんかは初見だと何の話をしてるのか理解が難しいだろうなというところが多かった。
そのほかは劇場用でもない普通のアニメだなといった感じ。特に見所があったわけでもないけれど、普通に面白かった。あとやっぱりご飯がうまそうなのは良い。

22位 BTS: Yet To Come in Cinemas
さしてBTSに興味もなく観てしまったのでまあこんな感じの順位。
ライブビデオとしてならもっとじっくりライブや舞台裏を見せて欲しかったし、映像作品としてならもう少し工夫が欲しかった。
ライブでは見えにくそうな部分が大画面で見れたので、そこはファンにとってはいいかと思う。

23位 福田村事件
事件を取り扱った意義はあるけれど、その他はうーん……。
少ない史料に対しての脚本の肉付けの仕方や事実の取り扱い方、震災や虐殺の描写不足、現代の観客の感情のやり場について助け舟が多すぎる点なども不満が残る。詳しくは作品単独の感想でできるだけ見た直後の感覚を書いているかと思うけれど、一言で総合すると、なまぬるいという気がする。
奇しくも元旦に能登半島地震があり、避けてはいても時おりネット上で流言飛語や憎悪が飛び交うのを見かけると、その醜悪さにかなりゲンナリとした気分になる。関東大震災時はそこまで情報インフラが十分でなかったとはいえ、似たような状況はあったと思われる。
そういった現実と比べて今作はどうかと言うと、フィクションが現実(過去も今も)にかなり負けている気がする。現実の出来事に対してドキュメンタリーでなくフィクションだからできることと言うのがあった気がするのだけど、単にドラマ性の付加にしかなっていないような。
自分は現実に負けない気概のある映画を観たくてこの映画を観たのかもしれない。

24位 シン仮面ライダー
このランキング中唯一楽しめなかった。
あまりにも質が低く、自分の許容範囲を超えてしまった。お金はかかっているのだろうに使われ方がこれでは……。ビジュアルも演技もアクションもお話も全てがダサい。失笑すらできない。唖然。そういう感じだった。

こんな感じかな。
前の上半期ランキングと順序が変わっている点もあり、この順位が自分の中で絶対というわけではないので、まあ年明けのお遊びと思ってもらえれば。