アクアマン 失われた王国を観た。1月14日、グランドシネマサンシャイン池袋にて、IMAXレーザーGT3D字幕版。
最近めちゃくちゃメンタルがやられていて、休日はずっと寝込んでるくらいなのだけど、14日を逃したらもうアクアマン2を観に行く余裕がなさそうなので、かなり無理をした。ずっと楽しみにしていたので……。
きついなら近所にすればいいのにグラシネまで行ったのは、個人的にアクアマンは映像美の映画シリーズだと思っているから。そうなると、IMAXレーザーGTで観るかドルビーシネマで見るか、という選択になり、グラシネ池袋か丸の内ピカデリーか新宿バルト9か、となる。どこも行くのがしんどい。2D上映があったら良かったのだけど、IMAXもドルビーシネマも3Dでしかやっていない。
というわけで、最終的には街で決めた。ピカデリーは駅の都合で、バルト9は徒歩が多いので、両者とも結構しんどい。グラシネもそこそこ歩くけれど、池袋のサンシャイン通りの辺りはいつも謎の高揚感と落ち着きを与えてくれて、メンタルに良い。大麻ショップとかあるけど。治安どうなんですかねあの辺。
メンタルがやられているので感受性が低下しているのではという不安があったが、実際見てみるとけっこう楽しめた。少なくとも、観ているだけで楽しめるというハードルはクリアしてくれている。
映像的にはやはり非常にゴージャスというか、脚本上の（舞台上の）都合で前作には及ばないものの、映像美特化のシアターで見るのにふさわしい出来だと感じた。3Dも親和性が高く観ていて楽しい。
ただ、これはネタバレにはならないと思うのだけど、ゴキブリとかでかい虫が出てくるので、そこは苦手な人は気をつけた方がいいかもしれない。
以下ネタバレ含む。
上述したように、映像美の点だけで言えば、前作には及ばないと思う。それは後半のバトルが暗い秘密基地や滅びた海底都市で行われるからであって、そのあたりになると他の映画と代わり映えしない種類の色彩になってくる。直観的に観てて面白いなあと思う映像は秘密基地前のジャングルで終わりだ。
前作の海中でキラキラドンパチを繰り広げるハイテンションなクライマックス、爆発を背景としたキスシーンの能天気さ、見栄えのする大量の海中生物、といったものがなく、暗い空間で機械やモンスターと戦うのがメインになっている。
前作でも暗い海でモンスターの群れと出くわすシーンはあったけれど、それは中盤のアクセントみたいなものだった。
やはり今作でも期待していたのは終盤でのハイテンションでキラキラした色彩だった。中盤のアトランティスでの逃亡劇や海賊の街において十分それは観られるのだけど、クライマックスで観たかったなと思う。
今回は中盤以降、アーサーが人目を忍ぶ形でオーム救出、海賊街、ジャングル、秘密基地、南極の海底都市、と最後まで冒険するので、敵も味方も少なくスケール感が小さく思える。味方は義父の王国と甲殻類の国だけだったか。他の王国や魚たちはそもそもあまり出てこない。
やはりラストバトルは魚の大戦争を見たかった。アーサーの子供が能力を受け継いだのが、単にSOSサインくらいにしか活用されなかったのは残念だ。
ストーリーの点では特に言うことがあまりないのだけど、個人的には家族の関係とかそういうのに涙腺が弱いらしく、男手一つで育てられた父と子育てについて語り合うシーンや、決戦前に母親と兄弟二人で抱き合うシーンはけっこうウルっときた。
あとはやはり兄弟の関係が修復というか作り上げられていくのがバディものとして微笑ましくも見られた。
シン博士の扱いがどうなるかわからない感じや、父が死ぬかと思ったあたりのヒヤヒヤ感もあったけれど、なんだかんだでほとんど犠牲が出ないのが優しいというか見てて楽な映画だ。DCEUが続いていたら、ブラックマンタの生存もポスクレなどで描かれていたかもしれない。
タコのトポについては、これで十分かもしれないが、もう少し出番があっても良かったなと思う。献身的に働く姿やアーサーにじゃれつく？姿など、マスコットになれるポテンシャルがある。最後に助けに来るのはたしかに美味しいのだけど。
あと、アンバー・ハードが思ったよりガッツリ出ていて驚いた。なんか再撮影とかいう話も聞いたような気がしていたので（気のせいかもしれない）、てっきりメラは出番が削られて最低限の出番になってしまうのかと思ったし、最初の方の育児シーンでメラが不自然な程に（父子家庭かのように）映らないので、これは続編映画あるあるの前作パートナーと離婚した（別れた）設定かと思ったら、そのあと普通にいたししっかり活躍していた。
まあ個人的にはこの方が良かったというか、色々な意見はあるだろうけれど、問題が生じた俳優の出番を削ったり作品をひっこめたりするのは、単なる一消費者的にはあまり好きではない。そんな単純な問題ではないんだけどね。
そんな感じかな。
星は★★★★☆（かなり楽しめた）。