成功したオタクを観た。5月2日、大分シネマ5にて。字幕。
7月になってしまったので、詳しい感想は書けないが、メモとして。
韓国の芸能界について寡聞にして知らないのだけど、アイドルが犯罪などで失脚するのが多いのだろうか。
日本だとそういうことはあんまりない(あるいは明るみに出ない)ので、不思議な感じがする。
主役(監督)の推しはどうやらリベンジポルノ?をグループチャットで共有などしたところから足がついたような雰囲気で、具体的にどういう犯罪だったのか映画だけで完全に理解することはできなかったが、なんにしろ性犯罪者として話が進む。
推しが犯罪などのスキャンダルで失脚した時、残されたファンや、ファンとまではいかずとも好意を向けていた人はどういう心持ちでいればいいのか。
最近だと、Vtuberが炎上などで失脚した際にそのような状況を目にすることが多いが、そのケースの多くは犯罪ではなかったりする(だから普通にそのままor転生して続きの活動を行っていたりする)ので、今作のケースとはちょっと違う。
今作では炎上どころか犯罪(不起訴になったとしても)ということで、推しは完全に社会的に否定されるべき対象になっている。なので、離れるにしても応援するにしても、残されたファンにほとんど迷いはない。離れたファンに迷いがあるとすれば、思い出との折り合いの付け方についてと、自分が間接的に加害に加担していたのではないかという問いかけだ。
個人的には、推しが犯罪とまでいかない炎上で失脚した際のファンの迷いについて掘り下げる作品があってもいいかもなと思った。今作ではファンは犯罪者となった推しを糾弾して当然、応援し続けるなんてもってのほかという結論が出ているが、犯罪ではなくなんとなく倫理的に良くないという理由で炎上した場合、ファンの行動はバラバラになると思う。そっちの方が見たかったかな。
推しのグッズを眺めているうちに、推しとの良い思い出がよみがえってきてやわらかい気持ちになってしまうシーンが一番心に来た。
それらは確かに良い思い出だけど、同時に推しに汚された思い出でもあるのだ。つらい。
あと、パククネって韓国では今はあんな扱いになっているのね。よく知らないけど。
星は三つといったところかな。テーマは興味深かったけど、内容はやや退屈。
犯罪者となった推しを糾弾する姿勢を登場人物の誰もが持っていて、それをひたすら聞き回るような感じだったので、同じやり取りを繰り返し見せられているような気持ちになってしまった。テーマ上、単調になってしまうのは仕方ないのかもしれないけれど、犯罪者となった推しを許すことはできないという結論が映画の最初に出ているので、余計にそう感じた。
★★★☆☆