映画を観た。9月24日。
AKIRA 4KリマスターをStranger(墨田)にて。
その後、機動警察パトレイバー 劇場版をグランドシネマサンシャイン池袋にて。
新作映画ではないのでまとめて書くし、ネタバレ配慮もしない。(まあ、新作映画でもないのに取り立てて内容について書くこともそんなにないけれど)
もともとはちょうど休みを取っていて、一日ゆっくり過ごす予定だったのだけど、前日になって急に劇場版パトレイバーを今上映中だということを知った。次に、劇場版パトレイバーの上映館を探しているうち、たまたまAKIRAの上映も今していることを知った。
劇場版パトレイバーは大好きな映画で、もともとは家の小さい画面で見たのだけど、映画館の大画面でやるならぜひ見たい。AKIRAは見たことがないけれどいつか見なければならない名作と思っていた。初見の機会をいつまでも逸していたのだけど、これも家の小さい画面で見るよりも、映画館で見る機会があるならそれに越したことはない。
ということで、無理をして遠出して映画を二本ハシゴすることにしたのだった。
けっこうバイタリティがあるように見えるかもしれないし自分でもそういう気がするが、映画なんて座り心地のいい椅子で2時間前後ボーッとしているだけなので、映画自体に使うエネルギーは多くない。たださすがに移動はかなりがんばった。せっかくの休日をこんなに移動して過ごすなんて、ちっとも疲れが癒されない。元気があって動くならいいのだけど、急に知って、今しか観れないと思い急いで出かけたので、半ば強迫観念にかられて無理をした感がある。
まあ何が言いたいのかというと、本当にしんどかった。
AKIRAについては、全体としては面白かった。面白かったのだけど、よくわからなかったというのが正直なところ。
まず、作中で起こっている出来事やキャラクターの整理が自分の中でうまくつかなかった。出来事が多く感じて混乱したような気がする。
特にケイ、リュウのゲリラ組織がよくわからなかったのだけど(金を袋詰めしてたロン毛チビ幹部の手駒?反政府なのに政府側なの?)、金田を捕らえて研究施設?に潜入して、以降は本筋に大して影響しなかったので一応問題なかったと思う。
あとは話してる内容がそもそも抽象的でよくわからないところがある。主に実験体三人組の言ってること。これはもうSF映画となると仕方がないのだろうか。とりあえず、AKIRAのような遥か先の進化にある巨大な力が今の人間に備わったらどうなるか、という話と、既に人類はケイをはじめとしてAKIRAのような力に目覚めつつある、という話だと理解したのだけど。
まあ、話についてはちょっとネットで解説でも見てみるか。それとも原作読んだらわかるところもあるのかな?というか原作のネタバレ踏みそうだから先に原作読んだ方がいいのか。
金田がバイクを横滑りさせて急停止する、よくオマージュされているシーンって、あんな序盤だったのか。なんかわりかしどうでもいいシーンだったな(かっこいいけど)。
「ドンッ」という大きな重低音が冒頭から終わりまでしばしば使われていて、異様な雰囲気を感じさせる一方で、無音のシーンも印象的だった。サウンドが上手い具合に気分を変えてくれるのは大音量の映画館ならではだろう。
ビジュアルに関してはさすがに今となっては真新しいところはないけれど、こういうのは既に普遍的な良さを獲得してるよなと思う。今見ても古臭くならない。個人的にはこういうサイバーパンクな世界観に作中の職業訓練校みたいなちょっと素朴な感じの風景が混じってるのも良いと思う。
4Kリマスターについては、少なくとも見ていて解像感の低さを感じるところはなかった。
劇場版パトレイバーについては既に見た事があるので特にこれといって書くことはないのだけど、解像感の低さは気になった。グラシネのスクリーンが大きめなのを差し引いても画面が粗く、当時のアニメ映画というのはこの前に見たAKIRAのようにリマスターしなければこんなものなのだろうか。とはいえ昔の映画なのでこういうものと思えばむしろ味わい深いものがある。
自分がこの映画で一番好きなのが、松井刑事が帆場の拠点を巡るシーンだ。開発された都市の裏側にぽつんと取り残されたような、古びて雑然とした寂しげな風景がいい。木造住宅、水の張った地面、ゴミの山……。これを大画面で見るために行ったようなものだ。刑事二人が缶ジュースを飲むシーンで、制作時はまだプルタブだったことも思い出す。松井さん、空き缶は持って帰ろうね。それとも当時はその辺にポイ捨てするのが普通だったのか?
(追記:この前見たラストマイルのことを考えてて思ったのだけど、ラストマイル、シン・ゴジラ、踊る大捜査線といった邦画のある意味転換点みたいな映画がこの劇場版パトレイバーの強い影響下にあるのは面白い。実は邦画史でかなり重要な作品なのかもしれない。アニメだけど)