☆☆☆
映画それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルンを観た

映画それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルンを観た。
7月2日、立川シネマシティにて。

普段アンパンマンは見ないというか、子供の頃でさえアンパンマンをろくに見た記憶がないのだけど、良作と聞いたので観に行った。
しかし冒頭で脚本米村正二と出てきて警戒レベルが上がる。昔プリキュアを見ていた身としては、米村脚本は警戒の対象だったのだ。微妙な時だいたい米村脚本だったから(なのでスマプリはあんまり好きじゃない)。

まあ結局それは杞憂で、普通に面白かった。もちろん子供向けという前提でかなりの譲歩は必要だし、よくできた話とは言いづらいけれど、見るべきところはあった。
ばいきんまんというキャラクターを掘り下げる(設定をではなくキャラクター性を掘り下げる)作品で、ばいきんまんに肩入れしてしまうタイプの子供だった自分もニッコリ。

子供の頃の自分がばいきんまんになぜ肩入れしていたのかというと、アンパンマンはナチュラルボーン暴力で戦っているが、ばいきんまんは努力と苦労の末に作り上げたメカで戦っているからだ。さすがにメカが無から生まれないのは子供だってわかるし、ばいきんまんの実力はメカを使ってでしかアンパンマンに太刀打ちできないレベルなのもわかる。
ばいきんまんが悪いのはわかっているが、手間暇かけて作り上げたであろうメカで挑むも、生まれ持ったアンパンチ一発で吹っ飛ばされる無情な構図があるのもまた事実だろう。
ばいきんまんは頑張っているのにアンパンマンは……という気持ちがあったことは否定できない。いやアンパンマンは暴力以外のところで頑張ってるんだけどね!?

そういう感じだったので、今作のばいきんまんは解釈一致。

今作の敵「すいとるゾウ」はとにかくめちゃくちゃ強い。どうやって倒すんだよこんなの……と思わせてくれる強い敵はストーリーの先が読めなくて好き。
敵の正体もその扱い方もすごく良かった。

よく出来た話に見えづらいところは、全体的に物語的な構図としてのエモさに特化していて、「どうしてそうなったのか」の説明を多分あえて省略したんだろうなと思う(子供向けでそこ掘り下げても尺の無駄だとは思う)。

どうでもいいけど、冒頭で踊るカバオを回り込みながら撮ってるシーンだけ作画がヤバいくらい良くて、今作ベスト作画はあそこじゃないかと思うのだけど、あそこがベストでいいのか?

惜しむらくは劇場が自分ともう一人しかいなかったことで、これはやはりお子様が見に来る休日に見た方が良かったなと思った。それ狙いでもう1回見ようかな。

いちおう星三つで。面白かった。
★★★☆☆

ライブに行った Pure vibes only ~風景 Landscape~@渋谷クラブクアトロ

ライブに行った。
7月1日、渋谷クラブクアトロにて。企画名はPure vibes only ~風景 Landscape~。
出演者はCampanella、空間現代、テレビ大陸音頭、松永拓馬。

18時45分開演だったのだけど、この日は元気がなかったので、行くつもりはなかったところ、18時15分くらいに思い直して、慌てて渋谷まで行った。
なので、当然間に合わなかった。

目当てはテレビ大陸音頭。最近バズって一躍人気になった札幌のバンドだ。
古参面するわけでは全くないが(本当に全くない)、バズる結構前からTwitterでフォローはしていた。
同じく札幌のバンドであり自分の推しバンドである喃語と過去に共演していて、その時にYouTubeでどんなバンドか調べて、気に入ったのでフォローしていたわけだ。
それが都合のいい日程で東京に来るのだから、一目見ておきたいと言うのがあった。

あと、8月に渋谷クラブクアトロで行われる学マスのライブに落選したので、思い出作りとして渋谷クラブクアトロがどんなところか確認しておこうと思った面もある。
しかし行ってみてわかったのだけど、普通に何回か来たことのあるライブハウスだった。記憶力がない。

到着したころには既にテレビ大陸音頭の出番途中であり、その後Campanella、空間現代が演奏(パフォーマンス)して、空間現代でアンコールがあったのでそのまま帰った。
松永拓馬はテレビ大陸音頭の前にやってたんだろう、と思ったけれど、ひょっとして空間現代のあとだったりしたのか?いずれにしても見逃したので残念だ。

応援として、テレビ大陸音頭のTシャツとタオル、ステッカーを購入した。

映画ルックバックを観た

映画ルックバックを観た。
6月30日、グランドシネマサンシャイン池袋にて。上映形式はBESTIA enhanced。

原作の漫画ルックバックについては以前にも表現修正の件と絡めて文章を書いたのだけど(今回書く内容と齟齬があったら、一貫性のないやつと笑ってほしい)、基本的に原作は面白く読めた。
ただ、それから時が経って振り返ってみると、実は自分はルックバックが嫌いなのでは?という疑いが出てきてしまった。同じような感情をハートキャッチプリキュアにも抱いているが、要するに、話の筋書きが実は気に食わないような気がしてきたのだ。具体的に言うと後半の展開。
そういう意味で観る前はとてもとても不安だった。トラペジウムを観る前より不安だった。嫌いになってたらどうしよう。嫌いな作品を観続けるのはつらい。最終的には1時間ない上映時間なら耐えられそうだと判断した。
結局のところそれは杞憂だった。そりゃあもちろん心酔するほど好きというわけではないけれど、決して嫌いではない。良かった。

観た感想なのだけど、まずはネタバレ抜きに言うと、原作に忠実な、理想的な映画だったと思う。ただし、これは原作ファンが期待する理想であって、映画として理想的な出来という意味ではない。ただ、映画化ドラマ化アニメ化漫画化小説化、この世の全てのメディアミックスがこのような姿勢で作られた作品だったら、原作ファンの不満というのもなくなるのになと思った。最近は痛ましい事件もあったが、そういうものもなくなるに違いない。
面白かったかどうかについては、普通に面白かった。ただ、それは原作を読んだ時に感じた面白さに由来するものであって、映像化に際した付加価値はあまり感じられなかった。むしろ邪魔だったものさえあり、没入感が阻害されながら観る羽目になった。
観た直後(あるいは観てる最中)に抱いた感想は、「感情の引っかかりがなかった」「感動を消費させようという意図を感じる」「薄く引き伸ばされている気がする」といったもの。見ていて没入できず退屈した面もあり、普段映画を見ていてなかなか飲み終わらないドリンクも、1時間足らずの今作では半分くらいで飲み干してしまった。
正直なところ映像化の意味はあったのだろうかと疑問に思ってしまうような作品ではあったのだけど、まあファンが喜んでお金が動くならそれに越したことはない。

ちなみに多くの原作ファンが気にするであろう修正の件についてだが、映画は二度修正された版、つまり単行本版に準拠している。特典のネームでもそのように修正されている。
修正前の初期バージョンだと勘違いしている人が多いので、一応書いておく。みんなファンの割に単行本買ってないんだろうか?あるいは修正前のバージョンをそんなに覚えていないのか。はたまた何が問題視されていたのかわかっていなくて区別がつかないのか。自分もそんなわかってた自信はないが区別はつく。

というわけで、以下はネタバレを多少交えつつ、主にこの映画の不満についてつらつらと述べていく。基本的にはハイクオリティで原作に忠実で原作の良さがほぼそのまま出ている映画なので、そこを無視するつもりもないのだけど、どうしても原作を読んだ時には感じなかった点、不満が多めになってしまう。

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