2024年7月
マッドマックス フュリオサを観た

マッドマックス フュリオサを観た。
6月7日、TOHOシネマズアミュプラザおおいたにて。DOLBY-ATMOS字幕。

感想というよりメモ。

マッドマックス怒りのデスロードは当時かなり楽しんで観た。2、3回は観た気がする。
だからわかっていた。二匹目のドジョウを狙うわけがないと。フュリオサに怒りのデスロードと同じ方向性を求めるのは間違いだと。
その上で観たのだけど、なんというか、その、普通だった。
いや、これは面白さが普通だったという以上に、なんだか、凡庸な作品に収まったなあというか……。
感情にも何の引っかかりもないまま終わってしまった。

フュリオサというキャラクターがそもそも一本作るには弱かったのかもしれない……とか思ったり。

ディメンタスのキャラクターは面白かった。面白いだけだったけど。でもこの作品の面白さの大半はディメンタス。
逆にイモータンジョーはなんか普通すぎた。
これじゃあ怒りのデスロードであれだけバチバチしたフュリオサとイモータンの因縁が大したことない感じになっちゃうよ。
悪いのディメンタスじゃん。イモータンの悪さをもっと出してほしかった。

ウォータンク対空飛ぶ乗り物は唯一面白かったアクションシーン。

一番疑問なのはあの運転手の男。あまりにもフュリオサに都合が良すぎないか?
なんかフュリオサといい感じになっちゃうし。恋愛まではいかないけど。
しばしば女性メインの作品で目にする気がするけど、女性が自立する過程には理解ある都合のいいイケメンをセットしないといかんのか?強い女性だと思って見てたら結局男の助けがないと自立できないみたいな印象になっちゃってちょーっと微妙な気持ちになる。別に女でもジジババでもいいだろうに、なんで恋愛をほのめかせられるような組み合わせにするかな。いや、これは完全に自分の好みの話なんであれだけど……。
ちょっとこの運転手の男の存在でかなり萎えたところがある。最初はなんかいいやついるじゃんと思ったけどフュリオサとお近づきになりだしたあたりでうーん……。デコ合わせるなデコを。

あとはなんかアニャテイラージョイがあんまりハマってなかったかな~という感じ。やっぱフュリオサは違うよ。

そんな色々モヤモヤを抱えた気持ちでエンドロールを観てたらAIの二文字が出てきてエンドロールでもがっかりさせられる始末。
後で調べたらどうも子役の顔をAI処理してアニャテイラージョイの顔と混ぜてるらしく、そこはうーん、普通のCGじゃ駄目だったのか?というか子供時代と大人時代で顔が違うなんてよくあることなのになぜ今更……。役者の顔って大事だと思うんだけどな。一人の役者で若返らせるとかならわかるけど、二人の役者を混ぜ合わせるって……。

まあとはいえ普通に面白かったので星三つ。やっぱディメンタスが良かった。
★★★☆☆

関心領域を観た

関心領域を観た。
6月4日、TOHOシネマズアミュプラザおおいたにて。字幕。
(なお、7月3日にも立川シネマシティにて2回目鑑賞。極上音響上映。字幕)

感想というよりメモ。ネタバレほんのり含む。

観る前は、アウシュビッツ収容所の隣に住む家族という前情報と、関心領域というタイトルから、何の変哲もない一般家族がアウシュビッツの壁内の惨劇に対して無関心であることを軸にした映画なのかと思っていた。
実際観てみると、まあ無関心と言えば無関心なのかもしれないが、そもそもアウシュビッツの所長一家であり、冒頭からして捕まったユダヤ人から接収した服をもらってきたりとか、収容所の焼却炉の話を家の中でしてたりとかしていて、ガッツリ事情を知っている感じがあるし、塀の中の音もまあけっこう聞こえるし、めちゃくちゃ家に執着するしで、無関心というよりは全て承知の上で生活しているという感じがある。自分はこういう状況を無関心と表現するのには違和感がある。
終わりまで観てもその点は納得がいかなかったので、後で調べたところ、そもそもこの映画とか原作の小説が出る前から、収容所の周辺の区域が関心領域と呼ばれていたらしかった。つまり、もしかすると、本来のタイトルの意味は関心の領域といった抽象的なものではなくて、アウシュビッツ隣接エリアくらいの意味だったのかもしれない。そちらの方がしっくりくる。

家や庭でのシーンは終始塀の中から聞こえる音や声が環境音として聞こえてくる。画面の中のなんでもない暮らしや会話が続く一見退屈なシーンだけれど、塀の中の音とともにあると、塀一つ向こうの惨劇を想像しながら見ることになり、独特の緊張感が生まれる。と同時に、それらを環境音としてこともなげに暮らしている登場人物たちの異常性にもまたハラハラする。特別なことは起こらないし、塀の外ではあるけれど、ここにあるのもまた異常事態なのだ。だから関心領域の外から来た人間には耐えられないのかもしれない。
そしてだんだんと塀の中の音がはっきり聞こえてくるようになる。

ネガで映されるシーンの緊張感も良かった。

音楽のほとんどない映画だけれども、数少ない音楽が秀逸で、こちらの不安を煽ってくる。オープニングはもちろん、劇中では音楽とも音ともつかない嫌な音が響く。
エンドロールの音楽も良い。エンドロールの音楽でここまで衝撃を受けたのは、自分の中ではダーク・プレイス以来だ。

話としてはとくに取り立てて何か大きな出来事が起こるわけではないのだけど、不思議とヘス一家の行く先が気になってしまう。
観客が現代のシーンで初めて塀の中に何があったかを知ることになる構成はうまいと思った。

とりあえず星四つ。かなり面白かった。
★★★★☆

劇場版名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)を観た

劇場版名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)を観た。
6月4日、TOHOシネマズアミュプラザおおいたにて。

感想というよりメモ。ネタバレなしで。

大分駅にてめちゃくちゃ待ち時間が生じたのでこれにした。なお、これだけだと足りなかったので、すぐ後に関心領域を観た。

内容には良くも悪くも全然期待していなかった。コナンだし。
最近の漫画の動向は全然知らないものの、一つ前の映画は一応観たので、まあ似たようなもんだろうと。
ただ、服部と和葉の恋の行方をアピールしてくるので、ひょっとして前作並の爆弾が投下されるのか?という期待だけは正直あった。

観てみると、まあなんというか、バカばっかで面白かった。
そんなもん使えるわけねーだろとか、そうはならんやろとか、結局そういうオチかいとか、突っ込みながら見れた。
まあ、犯人の推理は全然当たらなかったけど……。

星はとりあえず三つ。面白かった。
★★★☆☆

劇場版ウマ娘プリティーダービー 新時代の扉を観た

劇場版ウマ娘プリティーダービー 新時代の扉を観た。
6月2日、T・ジョイパークプレイス大分にて。

感想というよりメモとして。

丁度パークプレイス大分にて数時間の待ち時間が生じたので、その空きにすっぽり入る映画を探してこれにした。
あぶ刑事と迷ってツイッターのアンケ機能で聞いたら、断然ウマ娘の票が多かったので。

そもそもウマ娘というコンテンツについてけっこう疎い。
馬を擬人化した女の子が走る。レースで勝ったらなぜかアイドルみたいになってセンターで踊る。くらいの認識である。
アプリもリリース時にリセマラをしたが結局全然やらないままに終わった。
そのレベルの認識で大丈夫なのだろうか。というか、ウマ娘がレースで競争するという大前提を受け入れられるだろうか。

結果を言うと、まあ、大丈夫だった。
その服装で走るのは無理があるだろうとか、走ってる最中に叫びすぎじゃないかとか、色々疑問をぐっと飲み込む必要はあったけれど、基本的には熱いスポ根ドラマとして十分楽しめた。
実際の競馬の歴史になぞらえたストーリーなのだろうと途中で気が付いたけど、特にその辺の前知識がなかったので、ピークに感じた盛り上がりがその後も続いたりして、終始飽きずに見ることができた。
アニメならではの演出・視覚効果も豪華で観ていて面白かった。

しかし、フジキセキの勝負服が出た瞬間すべてを持っていかれてしまった。それはずるいって。

あと、これだけ泥臭くやって、走るのが本能だ、ってやっといて、最後にいきなり歌って踊るんかい。仰天した。いつ練習してんだよ。
そこは別になくてよかったんじゃないか。ウマ娘ファンにとっては譲れないところなのか。まあ、ウマ娘ファンのための映画だもんね……。

星は今のところ四つくらい。かなり面白かった。
★★★★☆

ライブに行った 知久寿焼アルカディアLIVE@西八王子アルカディア

ライブに行った。
5月18日、西八王子アルカディアにて。知久寿焼ワンマン弾き語り。

知久さんのライブに行くのはずいぶん久しぶりで、何年も行っていなかった。
ライブ情報を逐一チェックして張り付いているわけではないので、知った時にはもう予約満席ということが多い。
この日は直前に知久さんのツイートで席の空きが多いことがわかったので、その場のノリで行ってみた。

何年経っても印象が変わらなくてほっとした。
この日聞いたらんちうは今まで聞いた中で一番迫力があった。

リクエストで南風をやっていたが、自分はこの曲をずっと「みなみかぜ」と読んでいた。
「なんぷう」らしい。知らなかった……。

成功したオタクを観た

成功したオタクを観た。5月2日、大分シネマ5にて。字幕。

7月になってしまったので、詳しい感想は書けないが、メモとして。

韓国の芸能界について寡聞にして知らないのだけど、アイドルが犯罪などで失脚するのが多いのだろうか。
日本だとそういうことはあんまりない(あるいは明るみに出ない)ので、不思議な感じがする。

主役(監督)の推しはどうやらリベンジポルノ?をグループチャットで共有などしたところから足がついたような雰囲気で、具体的にどういう犯罪だったのか映画だけで完全に理解することはできなかったが、なんにしろ性犯罪者として話が進む。

推しが犯罪などのスキャンダルで失脚した時、残されたファンや、ファンとまではいかずとも好意を向けていた人はどういう心持ちでいればいいのか。
最近だと、Vtuberが炎上などで失脚した際にそのような状況を目にすることが多いが、そのケースの多くは犯罪ではなかったりする(だから普通にそのままor転生して続きの活動を行っていたりする)ので、今作のケースとはちょっと違う。
今作では炎上どころか犯罪(不起訴になったとしても)ということで、推しは完全に社会的に否定されるべき対象になっている。なので、離れるにしても応援するにしても、残されたファンにほとんど迷いはない。離れたファンに迷いがあるとすれば、思い出との折り合いの付け方についてと、自分が間接的に加害に加担していたのではないかという問いかけだ。
個人的には、推しが犯罪とまでいかない炎上で失脚した際のファンの迷いについて掘り下げる作品があってもいいかもなと思った。今作ではファンは犯罪者となった推しを糾弾して当然、応援し続けるなんてもってのほかという結論が出ているが、犯罪ではなくなんとなく倫理的に良くないという理由で炎上した場合、ファンの行動はバラバラになると思う。そっちの方が見たかったかな。

推しのグッズを眺めているうちに、推しとの良い思い出がよみがえってきてやわらかい気持ちになってしまうシーンが一番心に来た。
それらは確かに良い思い出だけど、同時に推しに汚された思い出でもあるのだ。つらい。

あと、パククネって韓国では今はあんな扱いになっているのね。よく知らないけど。

星は三つといったところかな。テーマは興味深かったけど、内容はやや退屈。
犯罪者となった推しを糾弾する姿勢を登場人物の誰もが持っていて、それをひたすら聞き回るような感じだったので、同じやり取りを繰り返し見せられているような気持ちになってしまった。テーマ上、単調になってしまうのは仕方ないのかもしれないけれど、犯罪者となった推しを許すことはできないという結論が映画の最初に出ているので、余計にそう感じた。
★★★☆☆